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海水淡水化施設に不具合 波照間、水道水に一時塩味

塩分を除去する逆浸透膜(RO膜)の一部に不具合が生じた波照間島の海水淡水化施設(資料写真)

塩分を除去する逆浸透膜(RO膜)の一部に不具合が生じた波照間島の海水淡水化施設(資料写真)

竹富町陳謝、対応に遅れ

 5月初旬に波照間島の海水淡水化施設の塩分を除去する逆浸透膜(RO膜)の一部に不具合が生じ、約1カ月間、飲み水として利用できなくなっていたことが14日、加屋本真一氏の竹富町議会一般質問で分かった。町は予備機材を用意できていなかった不備を認め、新城寛樹上下水道課長が「口当たりの悪い水道水を給水し、町民の皆さまにご心配をおかけした」と議場で陳謝した。機材は5月13日に取り換えられ、現在は復旧している。

 不具合が起きたのは2施設あるうち片方(210㌧/日)の施設のRO膜。町は予備機材を3月に発注していたが、いまだ納品がなされておらず、対応に遅れが生じた。

 町は「県水道災害相互応援協定」に基づいて県企業局に応援を要請。1基分10本の機材を取り寄せ、13日に取り換えた。ただ、施設内に残っていた水と混ぜながらの配水となるため、完全に塩味が無くなるまで時間を要した。

 加屋本氏によると、5月1日ごろから水道水の塩味が強く感じられ、同月末ごろまで続いたという。その間島民は売店でミネラルウオーターを購入する生活を余儀なくされ、宿泊施設や飲食店などに影響が及んだ。

 加屋本氏は「製氷機の氷まで真っ白になるほど塩味が強く、辛い水道水の状況だった」と指摘し、「水道の安定供給は島民の日々の生活に必要な行政の責務。施設管理の課題を早期に改善し、安全面、機能面の向上を強く要望したい」と追及した。

 新城課長は陳謝したうえで、原因について▽急激な観光客数の増加により、生産量と給水量のバランスが崩れ膜に負荷がかかったこと▽施設老朽化による生産量低下―と説明。再発防止に向けて、管理台帳の作成とチェック体制強化に努めるとした。

  • タグ: 波照間島海水淡水化施設不具合
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