波照間島 ムシャーマで先祖供養
- 2019年08月15日
- 芸能・文化
【波照間】旧盆中日の14日、最大の祭祀(さいし)行事「ムシャーマ」が島を挙げて行われた。前組(前集落)、西組(冨嘉、名石集落)、東組(北、南集落)の5集落3組が、それぞれ弥勒を先頭に仮装行列「ミチサネ」で農作業や漁の様子を再現、子孫繁栄と豊漁豊作を祈願した。棒(ボー)や太鼓(テーク)、舞踊や念仏踊り(ニンブチャー)など多彩な奉納で先祖を供養した。
島は、伝統芸能を堪能しようと訪れた観光客や関係者らであふれた。午前9時15分に前組、西組、東組の順に、ミチサネが各集落を出発。稲の収穫を再現するマミドーマ、精米作業を表す稲摺り(イニシリ)、豊漁を意味する魚釣りなどを披露しながら、波照間公民館を目指しにぎやかに練り歩いた。道化役のブーブザーが行列におどけたしぐさでいたずら、観客の笑いを誘った。
広場では「座の芸能」として島の青年らが「棒」、児童生徒らが「太鼓」を奉納した後、輪になってニンブチャーを踊った。午後からは広場の舞台で奉納があり、総勢約170人が出演した。東組がコームッサ、西組がシーシン棒など伝統芸能を披露したほか、一番狂言(コンギ)で笑いを誘った。
仲底克彦館長は「台風の影響と人手不足により、各村とも準備には大変苦労したと思う。今後ムシャーマを継続するためには、郷友会の皆さまの協力がさらに必要になる」と結束を呼び掛けた。 北集落の女性(90)は「幼い頃からずっと見ているムシャーマ。昔から変わらない」と顔をほころばせ、「孫やひ孫にもずっと続けてほしいが、県外に住んでいる子もいるので仕方ない面もある」と複雑な心境をのぞかせた。
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