石垣市市平和考える絵画・作文コンテスト 最優秀に前上里、崎山、大城さん
- 2023年06月10日
- 地域・教育
2023年度平和を考える絵画・作文コンテスト(石垣市主催)の結果が9日発表され、絵画部門で前上里珠吏さん(八島小5年)、作文部門中学生の部で崎山莉奈さん(石垣中3年)、同高校生の部で大城洋輔さん(八重山高校1年)がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。市役所で同日、表彰式が行われ、各部門の入賞者に賞状と副賞が贈られた。
同コンテストは非核平和都市宣言と核廃絶平和都市宣言の趣旨に基づき平和を求める市民の心を内外に発信するために実施されており、今回は小学5・6年生対象の絵画に69点、作文に28点(中学生13点、高校生15点)の応募があり、審査委員会(各5人)で入賞作品が決まった。
絵画最優秀作品は「『あたまりまえ』の幸せをみんなに」のタイトル。前上里さんは「みんなが幸せになり、人種差別もなく平和に過ごせたらいいなと思って描いた」と話した。
作文中学生の部最優秀の崎山さんは、沖縄戦当時13歳だった祖父の体験をもとに「いったい何のために戦争を起こしたのか」と考えるように。「子どもが思い描くかっこいい大人とは、権力や武力で自分の力を示す大人ではない。人や生き物や自然を大事にする大人だ。誰も脅かされることなく、苦しむことなく安らかな暮らしができる社会を創ってくれる大人だ」と訴えた。
同高校生の部最優秀の大城さんは曽祖父の戦争体験から何かできることはないか考えた結果、「それは戦争を風化させないことだ。そして戦争体験者の心を引き継ぐことだ」と強調。元鉄血勤皇隊が後世に残したい思いの一つ「子どもに本質を見極める力をつけること」を紹介した上で「世界がどんなに騒がしくなっても、ぶれないこと、何が大切なのか本質を見極める必要がある」として過ちを繰り返さない決意をつづった。
絵画部門の中川和紀審査委員長は「平和への願いが伝わる作品が多かった」と総評。最優秀作品については「画力、分かりやすさ、平和への思いなど全体を通して素晴らしかった」とたたえた。
作文部門の川平孝子審査委員長は「胸を打つ作品ばかりだった」と全体の感想。最優秀作品については「子どもは戦争を望んでいないと力強く述べている」「なんと素晴らしく、頼もしい言葉だと思った」と語った。
表彰式では大城智一朗市民保健部長が賞状を手渡し、あいさつした。最優秀作文は23日の石垣市全戦没者追悼式・平和祈念式で朗読される。各部門の上位入賞者各2人は長崎か広島の平和祈念式に派遣される。
【絵画】
▽最優秀賞=「『あたまりまえ』の幸せをみんなに」前上里珠吏(八島小5年)▽優秀賞=「すべての国が平和になれば」田中れんか(野底小6年)▽佳作=「平和の約束」半嶺奏和(宮良小6年)、「たくさんの傷跡」佐久川裕之助(川原小6年)、「平和の音色」石本心之介(野底小6年)
【作文】
中学生の部
▽最優秀賞=「大人になれることを願って」崎山莉奈(石垣中3年)▽優秀賞=「私たちにできること」富田結衣(同3年)▽佳作=「歴史を学んで」西村美音(同3年)、「今を生きる私たちの使命」仲田あみり(同3年)、「つながる願い」増田和晄(同2年)
高校生の部
▽最優秀賞=「繰返さない、過ちを」大城洋輔(八重山高校1年)▽優秀賞=「七十八年後の夏」南孝之輔(同1年)▽佳作=「南風に願いを乗せて」来間都夢祇(八重山商工2年)、「平和を願う」嵩田晄(八重山農林3年)、「私と人をつなぐ平和を考える」仲田琉海(同3年)
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