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ミサイル配備予定地に文化財 部隊計画に影響の可能性も

南牧場周辺から見える与那国駐屯地の拡張予定地と与那国駐屯地(奥)=3月

南牧場周辺から見える与那国駐屯地の拡張予定地と与那国駐屯地(奥)=3月

16世紀の集落跡 与那国町

 【与那国】防衛省が将来的な地対空誘導弾(ミサイル)部隊配備に必要な用地として取得を予定している駐屯地東側の土地約18㌶に、埋蔵文化財の「伝サガムトゥ村遺跡」(集落跡)が含まれていることが7日までに分かった。遺跡は取得予定地の北側の一部に分布している。文化財保護法上の手続きとして事前の届け出のほか、場合によっては発掘調査が必要となることから、ミサイル配備計画に影響する可能性がある。

 同遺跡は16世紀後半から17世紀のもので、比川集落と久部良集落を結ぶ道路に南接する丘陵にある。標高30㍍の大地に立地し、遺跡北側の崖下には水田がある。

 現在は原野と牧場となっており、保存状態は良好。中心部が原野となっていることから地表部からの遺物採取は困難だが、包含層の中心付近には鉄かすが発見されている。採集遺物には八重山式土器や外来陶磁器、石器・鉄製品、鉄かすがある。

 埋蔵文化財がある土地として周知されている場所で土木工事などを行う場合、文化財保護法第93条に基づき60日前までに文化庁長官に届け出る必要がある。また、文化庁長官は「当該発掘前における埋蔵文化財の記録作成のための発掘調査の実施」を指示できるとしている。

 防衛省は2023年度予算で18㌶を取得するための経費を盛り込んでいる。額については用地交渉に支障を及ぼすおそれがあるとして公表していない。同省は15日、地対空誘導弾部隊の配備に関する住民説明会を与那国町離島振興総合センターで行う。

  • タグ: 伝サガムトゥ村遺跡与那国町
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