大災害想定し防災訓練 県・3市町など
約160団体・2000人が参加
大規模な地震・津波を想定した2023年度沖縄県総合防災訓練(沖縄県、八重山3市町、沖縄総合事務局共催)が29日、旧石垣空港跡地を主会場に、石垣市、竹富町、与那国町で19訓練を行った。今回の訓練は①初動対応②応援部隊等到着時の対応③災害対応とライフラインの復旧対応―の3ステージに分けて実施。関係機関が情報収集や共有、連携態勢を確認した。
訓練は5年に一度、八重山地区で開催。八重山では、2016年9月に竹富町西表島開催以来となる。県内各消防や医療機関、警察、自衛隊、海上保安庁、民間事業者、自治会、地元住民など約160団体・約2000人が参加した。
午前10時、八重山諸島南方沖を震源とするマグニチュード9・0の地震(八重山諸島南方沖地震3連動)を震源に三市町で震度6弱を観測、地震による津波で甚大な被害が発生したことを想定し進められた。
このうち石垣市内では、石垣市、竹富町が災害対策本部を立ち上げ、被害状況の情報収集に奔走。住民向けに緊急速報メールや防災無線などを使い、避難を呼び掛けた。
竹富町は、昨年6月に石垣市との災害における相互協力協定締結に基づき、石垣市役所内に対策本部を設置、各島の状況を取りまとめて石垣市と共有した。市役所の入り口で各島から搬送され、八重山病院や避難施設の石垣市総合体育館に振り分けされる竹富町民の受け付けもした。
訓練会場は石垣市役所を中心に全10カ所設けられ、住民避難誘導訓練、避難所名簿作成、孤立地区の明石小学校から旧空港跡地へ県警ヘリの移送訓練などを展開。旧石垣空港跡地では、倒壊建物、高層建物内閉じ込め、土砂埋没、車両多重衝突事故からの救助訓練もあった。
市役所入り口に救急車両で搬送された被災者は、八重山地区医師会の医師らがトリアージし、災害拠点病院の八重山病院へ搬送。病院内では、災害急性期に機動的な医療活動を行う専門チーム「DMAT」や同院の医療従事者がSCUを設置。自衛隊の輸送機を使って、島外に搬送訓練もした。SCUは、傷病者を根本治療が行える被災地外の災害拠点病院などへ搬送するための臨時医療施設。
与那国町では、観光客らの避難、特別養護老人ホーム入居者を石垣島に自衛隊ヘリで移送する訓練があった。
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