八重山毎日新聞社

　【与那国】嘉手納町、北谷町、読谷村の3町村を管轄するニライ消防本部＝嘉手納町＝がこのほど、車両更新に伴い救急車1台を与那国町へ無償譲渡した。与那国町はこれまでワゴン車を改良した搬送車を救急車の代替として使用しており、救急車の導入は今回が初めて。町内の救急医療体制強化が期待される。

　同町によると、10年間使用した既存車両を更新するタイミングでニライ消防本部から県内離島に要望調査があったという。それに今回応募した与那国町が選ばれ、贈呈に至った。

　無償譲渡にあたり、ニライ消防本部の古見哲也次長ら2人が3月25日、与那国町役場を訪れ、譜久嶺弘幸副町長に車両のカギを手渡した。

　このあと、ニライ消防の職員から与那国町の消防団員らへ車両の取り扱い方法などを説明。団員らは、車内の応急処置スペースなどを見学し、ストレッチャーの使い方について指導を受けた。

　車両譲渡を担当した与那国町の田島政之産業振興課長によると、これまで診療所から機材を持ち込んでいたが、譲渡された車両は酸素ボンベや血圧計などが備えつけられているため出動までの時間が短縮できるという。

　田島課長は「離島なので一分一秒を争う搬送で、サイレンも鳴らせるため信号にも侵入できるようになり、スピード感が出てありがたい」と感謝した。

　譲渡された車両は、各種手続きを済ませ、今年度の早い時期に運用を開始する予定。

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