八重山毎日新聞社

　【与那国】与那国町議会（崎元俊男議長）は23日、臨時議会が招集され、役場の位置を与那国小学校南東の高台へ変更する特別決議の条例案を9対1の賛成多数で可決した。土地は既に購入済み。同条例は、新庁舎の完成に合わせて施行されるもので、それまでは現在地を役場の住所とする条例が維持される。

　町当局は、現庁舎が抱える施設・設備の老朽化や執務室の分散化、危機管理機能強化の必要性など喫緊の課題を解決する目的で新庁舎の移転整備を行うため、与那国町役場の位置を変更する必要があるとしている。

　質疑で田里千代基氏は「（前町長時代から設けてあった）庁舎建設基本方針作業部会を糸数政権になった2019年9月以降、一度も会を持たずに臨時議会に上げるのはおかしいのではないか」と議論の必要性を訴えた。村本浩利総務課長は「（政権交代後は）一度も開いていない」と認めた。

　さらに田里氏は、糸数町長の所信表明に「立地場所の選定も含め、ゼロから早急に取り組んでいきたい」とあったことから撤回を求めたが、糸数町長は「撤回しない」と答弁した。

　大宜見浩利氏は「外間政権でも同じ場所で賛成してきた。撤回となったのは金額の問題。場所ではない」との見解を示した。

　討論で嵩西茂則氏は「前の町長の時から決めてあった場所」として賛成を表明。反対討論で田里氏は「前町長が白紙撤回に至った検証を行い、改めて丁寧に町民に説明してから推進すべき」と主張した。

　新庁舎建設について町は、複合型庁舎建設の調査費として今年度と来年度に計200万円の予算計上を行うとしており、沖縄防衛局から同調査費として124万円の補助金内定通知を受けている。

　ほかに一般会計補正予算案は全会一致で可決した。

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