タクシー初乗り500円に 離島地区運賃改定
沖縄総合事務局は、八重山を含む沖縄県離島地区のタクシー運賃について普通車の初乗り料金を現行の470円から最大30円値上げの500円にすることを決定した。8月14日から適用される。距離によって加算される1メーター当たりの運賃は40円値上げの100円になる。同局が14日、ホームページで公表した。
新料金は、自動認可運賃の範囲が下限~上限まで3段階あるが、各社とも上限の運賃を設定するとみられる。
現行運賃の普通車初乗りは470円(1・167㌔㍍)、加算336㍍で60円。新運賃はそれぞれ500円(1・136㌔㍍)、463㍍で100円。増収率は14・45%になる。
ジャンボタクシーの特定大型車、個人タクシーに多いレクサスなどの大型車も値上がりする。
今回の改定に伴い、離島としては新たに「時間距離併用制運賃」も導入される。同制度は、タクシー乗車中に信号待ちや渋滞などの影響で速度が10㌔以下を一定時間走行した場合、その時間を距離に置き換えて計算するもの。普通車の上限値でみると、2分50秒で100円加算される。
運賃改定の考え方としては、増収分を運転者の賃金に反映させ、顕在化しているドライバー不足の解消につなげることで、必要な輸送サービスを向上させる狙いがある。ドライバー不足はコロナ禍による「業界離れ」で加速した。
また燃料高騰で厳しくなった経営基盤を立て直す目的もある。同局の資料によると、燃料油脂費は2021年度実績と比べ、査定ベースで23年度は1・5倍上昇。一般管理費も2倍近く膨らんでいる。
今回の運賃改定について同局は県ハイヤー・タクシー協会に▽運賃改定の認可後、運転者の労働状況改善について利用者に対し積極的に表明する▽実績における運送収入に対する運転者人件費の割合を維持させ、適切な運転手の労働条件の改善措置を講ずる▽運転者の労働条件の改善状況実績を自主的に公表する。賃金水準だけでなく、実質的な労働者負担の軽減等も併せて公表する―ことを求めている。
同協会八重山支部の伊良皆高司支部長は、八重山毎日新聞社の取材に「増収率14・45%はわれわれが望んでいた数字に近い。収入が伸びることで、燃料費高騰や人件費に適切に反映させたい」と話した。今後、運賃の認可に向けて各社ごとに申請の準備を進めていく。
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