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港湾労組、きょうから「自宅待機」 PAC3南ぬ浜町配備

貨物船から荷物をコンテナを陸揚げする作業員ら。このうち港湾労組組合員が「自宅待機」に入る=6日午後、石垣港

貨物船から荷物をコンテナを陸揚げする作業員ら。このうち港湾労組組合員が「自宅待機」に入る=6日午後、石垣港

石垣市建設部職員に組合側の意向を伝えに訪れた港湾3社の管理職ら=6日午後、石垣市役所

全従業員の半数、業務に影響か 防衛省や市の協議・対応焦点

 北朝鮮の「人工衛星」打ち上げへの備えとして防衛省・自衛隊が南ぬ浜町に展開している地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を巡り、港湾労組が組合員の安全確保を理由に移動を求めている件で港湾3社は6日、石垣市に労組側の意向を伝えた。対応した運道徹建設部長は「8日帰任する市長に伝える」などと回答するにとどめた。労組は「進展がない」などとして7日午前9時の始業時刻からの「自宅待機」を決めた。(9面に関連)

 防衛省は、破壊措置命令に伴い5月30日から今月11日まで南ぬ浜町の展開先について市など管理者から使用許可を得ている。この間、対岸の石垣港への貨物船入港は7、8、10日の3回予定されているが、港湾各社の組合員は約50人で、関係者によると全作業員の約半分を占めていることから、荷役・配送業務に影響が出る恐れがある。

 港湾3社の役員らが同日午後、石垣市役所で運道部長らと会い、▽組合員の安全性が担保されていない▽別の場所に移動させてほしい―との組合側の要望を伝えた。面談後、運道部長は記者団に「市長に伝えると回答した。出張中なので帰任後の8日に伝える」とした上で「再度、安全性の確保と退避時期について自衛隊側に確認する必要がある。港湾機能を維持できるよう努力したい」と述べた。

 この後、港湾3社役員らは石垣港ターミナル会議室で全日本港湾労働組合沖縄地方本部と同八重山部会の幹部に市との面談内容を報告。八重山部会の波照間忠部会長によると、会社側からは市の意向として「使用許可を変更できない」との報告を受け、現状に変更がないとして自宅待機を決定した。波照間部会長は「港が大切だという思いは一緒だが、組合員の安全を確保しなければならない」と話した。

 PAC3が別の場所に移動しなければ、南ぬ浜町の使用期間の11日まで「自宅待機」が続く可能性も。北朝鮮は2回目の発射について事前通告を行わない方針を示しており、浜田靖一防衛相は6日の閣議後会見で破壊措置命令を11日以降も継続する可能性を否定していない。

 市港湾課のクルーズ客船入港予定(6月1日時点)によると、22日までクルーズ船の入港はなく、破壊措置命令が継続された場合、南ぬ浜町の使用期間も延長を申請するのか、あるいは別の場所で展開するのか、防衛省と石垣市などの協議・対応が焦点となりそうだ。

  • タグ: PAC3港湾
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