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ゆりかごプロジェクト開始 西表野生動物の交通事故防止

アプリ「yuriCargo」ではドライバーの運転内容や走行距離などが表示される(環境省西表自然保護官事務所提供)

アプリ「yuriCargo」ではドライバーの運転内容や走行距離などが表示される(環境省西表自然保護官事務所提供)

スマホアプリ活用し運転診断

 イリオモテヤマネコをはじめとした野生動物の交通事故防止を図ろうと、環境省西表自然保護官事務所は17日、「西表島yuriCargo(ゆりかご)プロジェクト」をスタートさせた。スマートフォンアプリを活用した運転診断を行い、安全運転を続けた「優良ドライバー」には特典が贈呈される。期間は来年3月末まで。

 同プロジェクトはドライバーの安全運転意識の向上を目的としており、スマートフォンアプリ「yuriCargo」(㈱デンソー提供)を活用する。西表島で運転する際にアプリを起動すると、ドライバーの運転内容を評価。毎月安全意識の高い運転をしたドライバーには「優良ドライバー認定証」が発行され、島内で使えるクーポン券や協力事業者のグッズなど特典が受けられる。

 また同アプリで収集したデータを活用し、速度超過状況を可視化。地図上には急アクセル、急ブレーキの場所が表示されるなど事故防止対策の資料となる機能も備えている。

 西表島での野生動物の交通事故対策はこれまでアンダーパスや簡易柵、ゼブラゾーン(振音舗装)、注意標識などが設置されてきた。同事務所によると、プロジェクトはドライバーが交通事故を「自分事」として認識することを狙った実践的取り組みだという。

 同事務所の田中詩織専門員は「これまで対策を実施してきたがその後運転がどう変わったのかは把握できなかった。アプリではフィードバックできるのが最大のメリット。自分の運転を振り返り、安全運転につなげてほしい」と呼び掛けた。

 ヤマネコの交通事故確認件数は2010年代以降増加傾向にあり、記録が残っている1978年から2023年4月までの間で101件発生、うち93件でヤマネコの死が確認されている。また、西表島の世界自然遺産登録に際し、世界遺産委員会からは交通管理措置の有効性見直しと対策強化に関する指摘を受けている。

  • タグ: 西表島自然保護
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