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山田たかねさん 最優秀賞 情感豊かに17人の唄者熱唱

月の下で思いのこもったとぅばらーまを響かせる唄者=27日夜、新栄公園

月の下で思いのこもったとぅばらーまを響かせる唄者=27日夜、新栄公園

最優秀賞に輝いた山田たかねさん=27日夜、新栄公園

とぅばらーま大会 優秀賞に友利さん、宮城さん

 2023年度とぅばらーま大会(同実行委員会主催)が27日午後6時から新栄公園で開かれ、島内外から出場した17歳から70歳までの歌い手17人が秋の月の下、とぅばらーまを情感豊かに響かせた。審査の結果、最優秀賞に山田たかねさん(40)=仙台市=、優秀賞に友利宇宙さん(34)=石垣市登野城=と宮城圭さん(36)=同新川=、奨励賞に廣田律子さん(69)=川崎市=が選ばれた。

 大会は八重山を代表する叙情歌「とぅばらーま」を後世に継承し、発展させようと毎年旧暦の8月13日に開催されており、ことしで77回目となる。コロナ禍で20年から規模縮小が続いていたが、4年ぶりの通常開催となった。

 大会には総勢47人が応募した予選を勝ち抜いた15人と全島大会、関西大会のチャンピオン2人が出場。恋心や故郷を思う気持ちなどをそれぞれとぅばらーまにのせて熱唱した。審査は声量や声質、タノール(情感)、発音などで評価された。

 最優秀賞に輝いた山田さんは大切な人への思いを月と太陽に例えた歌と南の風を受けて故郷を思うとぅばらーまを披露。3年前に移住した仙台市で温かな風を感じると、八重山を思い出すことからこの歌詞を選んだという。

 3度目の挑戦でつかんだ最高賞に山田さんは「光栄。うれしいの一言に尽きる。最高の環境で歌える幸せを感じた」と感慨深げ。舞台で笛を務めた最優秀賞受賞者の兄・岡山創さん、師でもある父・稔さん、仙台にいる家族に感謝し、「いい報告ができる」と笑顔を見せた。

 12歳から始めた三線。移住後は「弾く元気がなかった」が昨年夏から再開。今では毎日音を鳴らすよう心がけている。トロフィーを手に「この1年やってきて本当に良かった」と振り返り、「今がとても楽しい。他の節歌や民謡を勉強しながら年を重ね、いろんな歌を歌えるようになりたい」とさらなる高みを見据えた。

 新城浩健審査委員長は講評で「スマムニとタノールが十分でなく、息が続かず尻すぼみになる人がいた。声量はあるが張り上げすぎた声があり、柔らかく歌ってタノールを出すことが必要。野とぅばらーまの歌い手が出ることにも期待したい」と述べた。

 審査の合間には作詞の部入賞者の表彰が行われ、入賞作品を歌唱の部の歴代最優秀受賞者が歌い上げた。特別賞を受賞した真玉橋羚皇さん(石垣中)の作品は同中の生徒が披露した。03年から副賞の三線を寄贈している三線工房響の譜久山勝代表に感謝状が贈呈された。

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