「イイヤチづくり」体験 竹富小中・PTA
【竹富】竹富小中学校(岡崎心一校長)と同校PTA(水野景敬会長)は16日午後、竹富島地域自然資産財団が管理する竹富島旧与那国家住宅(国指定重要文化財)で、「イイヤチづくり」の特別授業を実施し、全児童生徒が体験を通して竹富島の歴史や文化を学んだ。
「イイヤチ」は竹富島の「種子取祭(重要無形文化財)」の期間中にのみ食べられ、もち米、アワ、小豆を混ぜて炊き上げ、それを練り込んだ餅のような食べ物。小豆の材料は小学3・4年生の子どもたちが種子から育てて収穫した。
「イイヤチづくり」は昔ながらの手法で、まきを使って大きな窯でもち米を炊き、蒸したもち米にアワと小豆を混ぜ、その後しっかりと練り込む。
子どもたちはもち米を蒸している間、道歌を歌いながら屋敷内に入り、その後は屋敷内で巻唄を歌い、種子取祭の雰囲気を味わった。
「イイヤチづくり」の練り込み作業では、最初に保護者3人が手本を示し、その後子どもたちが一人一人実際に作業を体験。子どもたちはもち米とアワや小豆が混ざり合っていく様子に興味津々。「私もやりたい」と次々に声が上がった。
また、保護者の上勢頭立人さんが「種子取祭について」講話し、時折子どもたちに質問を投げかけたりするなど、参加した保護者や学校職員は真剣に上勢頭さんの話に聞き入っていた。
水野PTA会長は「祭りの中でのイイヤチづくり、道歌や屋敷内で歌う巻唄など、島の伝統文化を子どもたちがしっかりと受け継いでいってほしい」と思いを述べた。
寺澤与聖夫教頭は「旧与那国家での特設授業を通して子どもたちは竹富島の伝統文化の継承という貴重な経験を得ることができた。PTAや地域の方々のご協力に感謝している。今後もこのような活動を続けていきたい」と話した。(上間学通信員)
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