竹富小中、児童生徒ら狂言初体験 文化庁の育成事業
【竹富】竹富小中学校(島仲信秀校長、児童生徒38人)の児童生徒13人と教員1人の計14人が22日、同校体育館で行われた三宅狂言会=東京都=の「茸(くさびら)」にキノコ役で出演、狂言を体験した。文化庁の「文化芸術による子供の育成事業」の一環で、日本伝統芸能を守る会(中坪眞代表取締役)が実施。事前のワークショップで狂言師から指導を受けて本番に。装束と自作の面(おもて)、かさを身に着けた児童生徒たちはそれぞれの役柄を堂々と演じきり、会場に集まった地域住民や学校関係者らから拍手喝采を浴びた。
会場は、鏡板(末羽目)や竹羽目、橋懸かり、揚げ幕など本物に近い能舞台が設営されるなど本格的な雰囲気。
狂言「茸」は、ある家でキノコがたくさん生え、山伏が退治しようと祈祷(きとう)を始めるも増え続け、家主がキノコに追われて逃げ出してしまうという内容。祈祷に合わせてわらわらと出てくるキノコ役の子どもたちの様子に会場は笑いに包まれた。
マツタケ役の新井結大(ゆひろ)君(小学4年)は「一番前で、ずっと緊張していたが、みんなが笑ってくれてうれしかった。狂言は約650年前から受け継がれており、伝統として守っていかないといけないと思った」、弟でシイタケ役の晴大(はるひろ)君(同1年)は「声を出しながら退場するシーンが面白かった。狂言を演じられてうれしかった」と感想。
属(さっか)汐璃(しおり)さん(中学2年)は「ふだんは絶対にできない経験ができてよかった。稽古は厳しかったが、勉強になった。種子取祭も同じくらい前から続いており、似ている部分もあるのかなと感じた」と語った。
孫2人の演技を見た島仲由美子さん(68)は「狂言を見ること自体初めてで、しかも孫が出演して日本文化に触れた。こんな素晴らしい機会を与えてくれて感謝したい」と感慨深げ。
狂言に先立ち、狂言師の前田晃一さんが狂言の歴史や特徴などを紹介したほか、袴狂言「盆山」も演じられた。出演した児童生徒以外は足の運び方や手の動きなど基本所作を学んだほか、狂言の謡「兎(うさぎ)」の一節にも挑戦、狂言の世界に触れた。
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