八重山毎日新聞社

　超大型客船スペクトラム・オブ・ザ・シーズ（総㌧数16万9300㌧、全長347㍍、旅客定員5600人）が6日、石垣港に初寄港した。景勝地の川平湾周辺では、クルーズ船客が乗車する観光バスやタクシーが路上にあふれ一時混雑状態に。川平住民から「オーバーツーリズム（観光公害）で地域に迷惑が掛かっている」と不満が噴き出した。

　川平公園に隣接する川平第1・第2駐車場の前では、観光バスやタクシーが両側の路側帯にエンジンをかけたまま停車。センターライン付近では、今にも接触しそうにレンタカー同士がすれ違う。

　駐車場入り口ではタクシーがＵターン。「Ｕターン禁止だ。マナーが悪い」と係員の怒号が飛んだ。

　係員によると、バスやタクシーの縦列駐車は川平駐在所から水産海洋技術センター石垣支所まで続くことがある。バスのエンジン音がうるさくて近隣住民から苦情も出ている。

　バスの運転手は「バス専用の駐車場は6台しかとめられない。少な過ぎる」と指摘。

　タクシーはバスより駐車スペースに余裕があるが、不思議と利用は少ない。理由について運転手は、駐車場代を支払う客とそうでない客の2通りあり、運転手が自ら自腹を切るケースがあるという。大型タクシーの運転手は「自分で出すぐらいなら、路上にとめてお客さんを待ったほうがいい。会社が駐車場代をもってくれるなら喜んで利用するよ」と話した。

　ベテランのバス運転手は「観光地のこのありさまを市役所職員に見てもらいたい。観光地のインフラ整備は不十分だ」とチクリ。

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