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「川平リゾート」実現性なし 石垣市議会

2015年3月に農地転用の許可が出た箇所(写真中央右側部分)。許可事業計画のみが有効となっている=24日、小型無人機で撮影

2015年3月に農地転用の許可が出た箇所(写真中央右側部分)。許可事業計画のみが有効となっている=24日、小型無人機で撮影

景観見直し「大失態」 砥板氏指摘

 石垣市川平景観地区内のリゾート開発を巡り、当初の事業計画から変更される内容に実現性がないことが26日、分かった。市議会一般質問で砥板芳行氏の指摘で明らかになった。現時点では2015年3月に例外規定で農地転用が許可された際の事業計画のみが有効。許可計画を実施できなければ元の農地に戻すか、農振除外手続き申請のやり直しなど計画の変更手続きが必要となる。(7面に関連)

 リゾート開発計画地は川平集落西側の約8・6㌶。もともと第1種農地だったが、農地法施行規則第33条の2の「農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設」との例外規定に基づいて農地転用が許可された。

 砥板氏によると、その際の事業計画は川平景観地区内の高さ制限内の2階建て数棟で、市との協定で農業従事者は従業員数の63%に当たる42人。総事業費は13億8000万円。転用許可事業は1年以内に着手することになっているが、まだ着工されていないばかりか計画が変更されている。

 17年には総事業費250~300億円の米国ホテル大手による県内最大規模リゾートが計画され、市の高さ制限の緩和に期待して高層化を検討したが、緩和されずに頓挫。現在は5階建て病院併設高級リゾート、中国籍企業による会員制分譲リゾートの案が出ている。

 市は業者側の意向を受け高さ制限の見直しを進めたが、都市計画審議会の否決や川平住民の反対などで断念。ところが、ことしに入って再度の変更を検討していることが明らかになった。

 砥板氏は「川平景観地区の変更が高層化ホテルを念頭に置いているものだとすれば農地法を完全に逸脱した行為。農地法上できるはずのない高層化ホテル計画で地域に分断と混乱をもたらしたことは取り返しのつかない大失態」と批判、「大きな要因は、市長はじめ当局が農地法や制度を理解していない、または誤った認識によるもの。川平地区の方々に多大な迷惑をかけ続けていることを深く謝罪し、しかるべき責任を取るべきだ」と訴えた。

 法的・制度的に可能な対応として砥板氏は▽当初計画を進める▽事業計画そのものを第3者に承継する▽それらができなければ許可を取り消して農地に戻す▽事業計画の変更を申請する―ことを挙げて確認を求め、米盛博文農業委員会事務局長は「転用許可後、事業変更する場合は事業計画の変更手続きを行う必要がある」と述べた。

  • タグ: 川平リゾート開発
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