本マグロ豊漁、もう終了 採捕停止命令
沖縄県が8日に大型クロマグロ(本マグロ)の採捕停止命令を発出したことに伴い、八重山漁協の今期の本マグロ漁が同日終了した。八漁協によると今期は約72㌧(352本)の水揚げがあり、昨年からおよそ5㌧(120本)増加。県全体の漁獲量の約半数を占めるなど豊漁だった。10日午前には8日までに捕獲された本マグロ23本4・3㌧が水揚げされ、うち17本が県外市場へ出荷された。
八漁協によると、4月5日に今期第1号の水揚げがあって以降、漁獲が好調。県内最大規模の泊漁港(那覇市)を上回るペースで推移していたという。5月以降は泊漁港の水揚げも伸び、同8日には前期の漁獲可能量147・5㌧の95%に到達。前年より3日、一昨年より11日早く採捕停止命令が出された。
八漁協では10日、操業を終えたマグロはえ縄漁船5隻が水揚げ。このうち4本を水揚げした大喜丸船長の宮里長善さん(58)は「ことしは大漁だった。採捕停止は揚げ縄(作業)中に聞いたが早くてショックを受けた。漁具に大金をかけているのでもっと捕りたい」と本音をもらし、「資源も回復している感じがする。漁獲枠をさらに拡大してほしい」と願った。
今期合計35本を漁獲した宏徳丸の水上隼人船長(34)は「周りの先輩たちにはかなわないが、何とか数を稼げた」と安堵の表情。前半は小ぶりで心配だったというが、後半は脂のりが良い個体が揚がり、県外市場で高値もつき始めていたという。「これからという時に終わってしまった。本マグロのシーズンは一年で一番のもうけ時。来年は枠が増えることを願う」と話した。
八漁協市場販売課によると、県外市場では1㌔当たり平均2、3000円台で推移。最高値はキロ9500円だった。またことしは200㌔超えの個体が少なく、150~170㌔の比較的小ぶりなマグロが多かったという。
同課の友利邦明課長は「昨年より100本以上多く揚がったのは良かったと思う。採捕停止は早いが資源管理の点では仕方ない。漁獲枠が拡大するよう漁業者とともに声を上げていきたい」と語った。
八漁協ではマグロはえ縄船3隻の水揚げが残っており、今期最後の水揚げは11日以降になる見込み。
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