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財産補償に疑問の声も 議会特別委、市保護計画を審査

石垣市の国民保護計画で市民の財産補償、武力攻撃等事態認定後に市職員や民間人が残留するか質問する委員ら=10日午前、石垣市役所

石垣市の国民保護計画で市民の財産補償、武力攻撃等事態認定後に市職員や民間人が残留するか質問する委員ら=10日午前、石垣市役所

 石垣市議会の「石垣市国民保護計画等有事に関する調査特別委員会」(花谷史郎委員長、委員8人)が10日開かれ、石垣市国民保護計画の第1編(総論)と第2編(平素からの備えや予防)について審査した。委員からは、避難にかかる個々の財産補償や何人の市職員が残留して島外避難誘導を行うかなどについて質問が出た。

 平良秀之氏は損失補償の項目で、島から避難する際に農作物や家畜などの取り扱いについて説明を求めた。防災危機管理課は国民保護法第171条を根拠に「武力攻撃認定の終了後、新たに法律を定めて補償することになる」と答弁。認定前に自主避難した場合は補償対象外となる。

 内原英聡氏は「島外避難した後だと『家畜が逃げたので自己責任』となるのではないか。先に補償の制度設計を示すべきでは。そうでないと避難を決断することもできないと思う」と疑問を投げた。

 同計画で市職員は、研修を通じて国民保護措置の実施に必要な知識の習得、実践的な訓練を通じて武力攻撃事態等における対処能力の向上に努める「必要がある」と定められている。防災危機管理課は今月、職員向けの住民保護計画の説明会を行うとした上で、「事態認定されたら全ての職員が本庁に出向いて業務につくとなっている。この辺りも説明していきたい」と述べた。

 沖縄電力など指定地方公共機関とされる民間職員が避難するタイミングについても質問があった。同課によると明確に定まっておらず、沖電についてはアンケートを実施しているという。他の同機関についても業務継続計画や意向を確認する必要がある。今後、残留する職員については「基本的人権の尊重にも関わってくる」とし、意思確認も必要となりそうだ。

 長山家康氏は通信確保の観点から、ウクライナでも活用されている衛星インターネットアクセスサービス「スターリンク」の導入案を示した。

 砥板芳行氏は2019年度に改正された市国民保護計画について、22年12月に安全保障関連3文書が改定されたことで敵基地攻撃能力の保有など「前提が変わってきている」とし、同文書を踏まえた国民保護計画に見直すよう求めた。

 次回の同委員会開催は今月末を予定、引き続き同計画を審査する。

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