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根拠なき規定で火葬か 廃止条例の規則で運用

すでに廃止されている旧火葬場条例に基づく施行規則で火葬の手続きが行われている「やすらぎの杜いしがき斎場」=15日午後

すでに廃止されている旧火葬場条例に基づく施行規則で火葬の手続きが行われている「やすらぎの杜いしがき斎場」=15日午後

石垣市

 石垣市の現火葬場「やすらぎの杜いしがき斎場」の管理運営を巡り、すでに廃止された旧火葬場の「石垣市火葬場条例」(旧条例)に基づく施行規則で火葬の手続きが行われいることが15日、分かった。このため火葬場所が、現在は存在しない旧火葬場となっている。内原英聡氏の市議会一般質問で明らかになり、内原氏は火葬に違法性があるかどうかの確認を求めた。法制審査のあり方も問題視した。

 旧火葬場の老朽化に伴って新設した現火葬場について市は2015年12月11日、「火葬場の設置及び管理に関する条例」(現条例)を制定して翌年4月1日から施行、1972年制定の「石垣市火葬場条例」(旧条例)を廃止した。

 しかし、現行の施行規則は、すでに効力を失っている旧条例第7条の規定に基づくもの。現行条例は第9条で規則を定めるとしているが、これに基づく規則を作っておらず、旧規則で運用している。

 旧規則は、死体火葬について利用者による許可申請、市長による許可証の交付・提出などを定めている。申請書・許可証の様式には、火葬場所を現火葬場の「石垣市字大川番名1523番地1」ではなく旧火葬場の「石垣市字登野城バンナー2108番の1」と記載されており、現に存在しない場所で火葬許可の手続きが行われてきたことになる。

 現条例の施行から3年後の2019年に旧規則の一部改正まで行われていることも判明した。

 中山義隆市長は「現行の火葬場運営で市民に迷惑をかけている状況ではない。調査して規則が必要であれば早急に整えたい」、大城智一朗市民保健部長は「住所は間違いと確認されたので早速諸手続きを行って変更したい」と答弁した。

 内原氏は「適正な許可がなく火葬されたことが違法と判断されれば、刑法190条の死体損壊罪に問われるのではないか」と懸念、中山市長は「仮に手続きに瑕疵があったとしても行政側が許可を出しているので住民が刑法に問われることはない」との認識を示した。

 内原氏は「規則の不備で喪主がお別れのボタンを押すことは違法にならないか。問題はないと断言できるか」と追及、中山市長は「調べた後に話をしたい」、大城部長は「議会に報告したい」と応じた。

 内原氏は「担当課以上に総務部の法制担当の責任が重大だ」と指摘したが、翁長致純総務部長は「担当部署で精査して法制担当に上がってくるが、上がって来ないものを全部調査することはできない。担当部署から上がってきた場合は精査できる」と述べるにとどめた。

  • タグ: 石垣市火葬場条例
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