島の世果報祈る 黒島豊年祭
【黒島】ことしの豊作を神に感謝し、来夏世の五穀豊穣や住民らの無病息災を願う黒島公民館(運道武則館長)の2023年度豊年祭が13日(旧暦6月27日)、宮里海岸で執り行われた。黒島独特のパーレー(爬龍船)競漕「パーレークイ」や伝統芸能は新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年間中止になっていたが、4年ぶりに復活。島民や島外で暮らす郷友らが島の世果報を祈った。(10面に写真特集)
島内四つの村で行うパーレークイ。干潮にむかう午前中は宮里村と仲本村、満潮にむかう午後は東筋村と保里村がそれぞれ競った。各村代表の走者(ウーニー)が浜辺で長老から杯を受けた後、舟に向かって疾走するところからスタート。舟に乗り込み、沖の浮き(フキ)を回収して岸に戻り、ウーニーが長老の元に到着する順位を競い、ことしは宮里村と東筋村が勝利。競漕を終えるとこぎ手や女性たちが「豊年ジラバ」を歌いながら円陣をつくり、巻き踊りで盛り上がりは最高潮に達した。
宮里村のウーニーを務めた仲嵩拓真さん(16)は「幼いころから憧れだったウーニー。少し緊張もしたけど、こぎ手の皆さんの協力もあり力いっぱい走りきれた」と満足そうな表情。
このほか、奉納芸能では宮里村のミーラク(弥勒)行列が登場。東筋村のカサブドゥン・ガッキブドゥン、仲本村のカマオドリ、黒島小中学校児童生徒による傘おどり・コームッサ、郷友会と公民館の棒術が捧られ、最後は村々で力を合わせて海のかなたにあるとされる理想郷「ニライカナイ」の幸福とともに舟を陸へ揚げる「ユー揚げ」で締めくくった。
4年ぶりの開催に多くの郷友や観光客が詰め掛け、島はまつり一色に染まった。
東筋村に実家がある東舟道初枝さん(87)=登野城=は「生まれ島の行事を久しぶりに見ることができてうれしい」と大喜びで話した。
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