勇壮なツナヌミン披露 盛大に四カ字ムラプール
一年の豊作に感謝し来夏世(クナツユ)の地域繁栄や世果報(ユガフ)を祈願する四カ字のムラプール(豊年祭)が6日午後、4年ぶりに石垣市新川の真乙姥嶽で盛大に行われた。奉納衣装に身を包んだ字民や各地域の旗頭が一堂に会し、炎天下、巻踊りやイリク太鼓などを奉納。女性だけで行われるアヒャー綱や勇壮なツナヌミン、大綱引きなどが繰り広げられ、久々の開催となった島の伝統行事を存分に堪能した。
午後3時半、各地域の旗頭が集合してムラプールが開始。新川字会の唐眞盛充会長は「4年ぶりに晴れて世願いのムラプールを開催できてうれしい。台風の影響で延期されたが、多数参加していただきありがとう」と感謝した。
新川字会が最初に奉納し、世持(ユームツ)、長老(ウヤジュウ)、稲摺(イニスリ)、鎌払(ガギバライ)などを次々に演じた。双葉公民館、大川字会、石垣字会、登野城字会、JAおきなわ八重山地区本部、石垣島製糖㈱、石垣中学校、八重山農林高校、東京八重山会がそれぞれ巻踊りや旗頭を奉納した。
真乙姥嶽前の通りで行われた「五穀の種子授けの儀」では、東から農の神、西からみこが登場し、農の神がみこへ五穀の種子を授けた。
女性だけで行う「アヒャー綱」にあたり、ブルピトゥ(棒貫人)の女性が神司からブル棒を授かり、雌雄の大綱に差し込んだ。女性たちは乱舞し祝福した。
ブルピトゥを務めた仲唐みき子さん(62)は「役を受けてからはずっと緊張の毎日だったが、皆さんのおかげで盛り上げていただき無事できたことに感謝している。とても大きく大事な儀式の一つで4年ぶりということもあり、さらに緊張したけれど、3年間できなかった役の人の思いも一緒に代表で務めさせてもらった。気持ちが伝わって感激している」と感極まった様子だった。
祭りは続き、旗頭と大綱を真乙姥嶽から西へ約100㍍先まで移動。日が落ち、たいまつに照らされるなか、なぎなた、鎌を持った2人の武者が戦う勇壮なツナヌミンで盛り上がった。最後の大綱引きでは、幸せを引き寄せようと字民や観光客などがこぞって参加。それぞれ力いっぱい綱を引いた結果、東が勝利した。
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