八重山毎日新聞社

　ことしの五穀の実りに感謝し、来夏世の豊作と大浜村の発展を祈願する大浜公民館(波照間盛一館長)の豊年祭ムラプールが30日午後、崎原道路で4年ぶりに通常開催された。祭事を締めくくる郡内最大の長さ約130㍍の大綱引きは、上村と下村に分かれ多くの住民らが引き合い、16秒で上村が2連覇した。上村が勝てば豊作と伝えられている。各団体が奉納する「道踊り」には22団体計830人余りが参加した。

　この日は午後2時から東海岸のカースンヤーで神司がユーニガイ（願い）を行った後、番所の「オーセ」に上村と下村の旗頭、中学生によるイリク太鼓、弥勒、大浜婦人会の「与那覇節」と「黒島節」が次々と奉納された。

　奉納終了後は、神司と公民館役員が「東節」を歌い、神司が手招きして世果報を呼び寄せた。

　日没後に行われる「ツナヌミン」では、たいまつの明かりが幻想的な雰囲気を醸し出す中で行われ、迫力ある演武に住民らの熱気は最高潮に達した。

　大綱引きでは下村の縄が切れ、16秒で4年前に続いて上村に軍配。上村の大綱引き責任者の東盛秀平さん（45）は「大浜の伝統的な大綱引きを4年ぶりに開催できてうれしい。みんなの思いが伝わった勝利。いろんな作物が神に届いていい年になりそう」と喜んだ。

　波照間公民館長は「知恵を出し、汗を流し、心を合わせて住んでよかったほーま村を目標にかかげまい進していく。字民をはじめ多くの関係者から奉仕や協力をいただき感謝している」とあいさつした。

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