ビッチュル奉納 力強く
- 2024年07月18日
- 芸能・文化
石垣市川平の豊年祭が17日、村内で行われ、それぞれの御嶽で願い(ニンガイ)が執り行われた。このうち地域の人からは「アーラオン」の名で呼ばれる赤イロ目宮鳥御嶽では、「ビッチュル石」と呼ばれる俵型の石を担ぐ伝統儀式が奉納され、力自慢の地域の青年5人が村の繁栄や五穀豊穣を祈りながら石を担いだ。会場には、多くの地域住民や観光客が訪れ、奉納行事を見守った。
石担ぎは、ニンガイが終わって午後4時すぎにスタート。担ぎ手を務めた青年らは、勇ましい掛け声とともにビッチュル石を肩まで持ち上げ「ユイ」という掛け声とともに気合を入れながら境内を左回りに3周半歩いた。額に汗を浮かべながら一歩一歩ゆっくりと進む担ぎ手に向かって、年長者たちは「声が小さくなってきたぞ」「もっと大きく回れ」などとげきを飛ばして後押し。奉納が無事に終わると会場からは、大きな拍手が沸き起こった。
高校1年生のころからビッチュル石を担いでいるという大屋実之さん(39)=川平=は、最初の担ぎ手を務め「レプリカの石を担いだり、スクワットをしたりして練習を重ねてきた。奉納では、川平村が安全で来年も豊作となるよう願いを込めて担いだ」とすがすがしい笑顔を見せた。
初めて担いだ川平出身の糸満勝吉さん(24)=真栄里=は「急きょ担ぐことになった。練習もしていないので持つところのない石はとても重く感じた。来年は練習してから参加し、一人で担げるようになりたい」と汗をぬぐった。
この日は、午後2時ごろから村内にある各御嶽でニンガイの儀式が執り行われ、午後5時ごろから山川御嶽と群星御嶽の氏子らが石垣市消防本部川平出張所前のロータリーで旗頭を上げて地域の豊年祭を締めくくった。
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