恒久平和へ決意新た 戦後78年慰霊の日
2023年度石垣市全戦没者追悼式・平和祈念式(石垣市主催)は23日午後4時から、バンナ公園南口入り口の八重守之塔で行われた。各団体と各小中高の代表、一般が参列し、戦争で犠牲になったすべての戦没者の冥福を祈るとともに恒久平和を誓った。
糸満市摩文仁の「平和の礎」には石垣市関係者4406人の名前が刻まれている。
式では八重山高校の代表生徒4人が平和の歌声として「月桃」をささげ、平和を考える作文中学生の部最優秀賞の崎山莉奈さん(石垣中3年)と高校生の部最優秀賞の大城洋輔さん(八重山高校1年)が朗読した。
崎山さんは、友人たちをマラリアで亡くした祖父の戦争体験を紹介。「祖父の顔は78年前の出来事を話している表情ではなかった。今もきつい、苦しい思いをしている顔だった。祖父の中でまだ戦争は終わっていないのだと思った」と祖父に寄り添いながら平和への決意を語った。
大城さんは、父から曽祖父が「鉄血勤皇隊」として18歳ではかなく散ったと聞いて身近に戦争を感じ、「私も高校生ながら何ができることはないか考えた。戦争体験者が少なくなっている今、次の世代を担う私たちができること、それは戦争を風化させないことだ。そして戦争体験者の心を引き継ぐことだ」と訴えた。
全員で黙とうをした後、中山義隆市長が「先代から受け継いできた平和への思いを決して絶やさず、恒久平和に向け強く訴え続けていく。次世代を担う子どもたちに平和について考え行動する平和思想の継承に努めていく」などと平和宣言を行った。
県遺族連合会八重山支部の大山幸子支部長も「今日の平和と豊かな生活は、戦没者の犠牲の上にあることを心に刻み、戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に伝えていく責務がある」と強調した。
県八重山事務所の長濱広明所長が玉城デニー知事の追悼のことばを代読した。
この後、各団体の代表と小中校の児童生徒代表が献花し、焼香を行った。
八重山戦争マラリア犠牲者追悼式に続いて司会を務めた八重山商工高校放送同好会の大仲真白さん(2年)は「司会として参加することで戦争について考えるきっかけとなった」と話し、南風原望美さん(同)は「参列者の方を改めて知ることができた」と式の意義を実感した様子だった。
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