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「慰霊の日」の23日、沖縄は鎮魂の祈りに…

 「慰霊の日」の23日、沖縄は鎮魂の祈りに包まれた。八重山で最大の犠牲者を出したのは戦争マラリアである。バンナ公園内の八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑で追悼式が行われた▼八重山住民は日本軍の命令でマラリア有病地への強制避難を余儀なくされた。当時の人口3万1701人のうち1万6884人がマラリアにかかり、このうち3647人の命が失われた▼八重山戦争マラリア遺族会の唐眞盛充会長は追悼式で「マラリア有病地へ強制移動の命令を下した旧日本軍の行為は八重山住民に対する犯罪行為だと私は思っている」と語った。そこから出発しなければならないとの強い思いが伝わってきた▼筆者は今回、遺族の1人として参列した。曽祖父と祖父、叔母、叔父の4人が戦争マラリアで亡くなっている。祖母は家族8人の半数をマラリアで失った。このことを一切語ることなく旅立ったが、生前に口ずさんでいた歌詞が忘れられない▼生(う)まりらん生まり 山ししの生まりよ/あがからんあがき 鳥(とぅい)ぬあがき/生ちちょりばあわり 死にば極楽(ぐくらく)よ▼今も何の歌か分からずにいるが、食用などにされるイノシシやニワトリの運命に、自らの意思ではどうすることもできなかった戦時体験を重ねていたのだろうか。(比嘉盛友)

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