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不適正係留横行か 複数で船舶番号不一致

プレジャーボートの不適正利用の可能性が浮上している石垣漁港フィッシャーリーナ。市の管理体制も問われている=8月27日

プレジャーボートの不適正利用の可能性が浮上している石垣漁港フィッシャーリーナ。市の管理体制も問われている=8月27日

市管理不足、「又貸し疑惑」も 浜崎町フィッシャリーナ

 石垣市水産課が管理するプレジャーボート係留用の石垣漁港フィッシャリーナで、マリンレジャー事業者の中に不適正利用の可能性が浮上している。市に登録している借り主の船の番号とは異なる番号の船が複数係留されていることが八重山毎日新聞社の調査で確認されているほか、同課には借り主が別の事業者に係留スポットを貸し出す「又貸し疑惑」の報告も。これを受け同課が実態把握の調査に乗り出している。

 浜崎町にある同施設は、石垣漁港内に係留する遊漁船やダイビング船が増大したため、漁港内の混雑を解消して安全性を確保する目的で市が約6億3千万円を投じて浮桟橋などを整備したもの。2014年9月から利用が始まった。

 同施設内で係留可能な隻数は15㍍未満15隻、10㍍未満21隻、8㍍未満12隻。使用者は市から長期(15日以上)、短期(14日以内)の使用許可を得て使っている。長期は年間使用(4月1日~翌年3月31日)のケースが多く、毎年度の更新が可能。使用料は船の大きさによって異なり、長期使用の場合は1カ月当たり7500円~2万2500円。

 同課によると、使用の順番待ちをする「待機船」は70~80件に上る。中には5年以上、係留スポットが空くのを待つ事業者も。

 係留スポットには、事業者が市に登録した船のみ係留することになっているが、本紙が8月に現地で船舶識別番号と係留スポットの印字番号を照らし合わせたところ、係留されているプレジャーボート30艇のうち19艇が印字番号と船体番号が異なっていたことが判明した。

 不一致番号の船が係留されていることについて同課担当者は▽契約者の登録船が点検・整備に入り、空いたスペースに所有する別の船を一時的にとめている▽更新時に登録船を変更して申請したが、係留スポットの印字の貼り替えが間に合っていない―などの可能性を理由に挙げた。

 管理不足の感は否めず、同課担当者は取材に対し「番号が違う船をあぶり出して情報収集を行い、不正利用の実態を一つ一つ正していきたい」との考えを示した。又貸しの実態についても「情報は入ってきているので引き続き調査を進めていく」とした。又貸しや使用許可権利を他人に譲渡した場合などは使用取り消しや使用停止処分の対象となる。

 

■「場所少ない」「暗黙の了解」 レジャー関係者 不満噴出

 石垣漁港フィッシャリーナの利用状況を巡り、マリンレジャー関係者からは「暗黙の了解で又貸しをしている事実はある」「石垣市の管理がずさんではないか。運用の公正性に欠ける」「そもそも係留場所が少ないからルール違反者が出てくる」などと不満が噴出している。

 年間数十万円を石垣市に支払い係留スポットを使用している事業主によると、船舶番号が違う船の係留が常態化しており、「暗黙の了解になっている」という。 

 別の関係者は「私たちはお金を払ってルールにのっとり利用しているのに、ある業者はタダで留めているか、又貸し相手に賃料を払って使っている。抽せんで利用の順番待ちをしている業者に対しても不公平じゃないか」といぶかる。

 係留スポットが空くのを順番待ちしている事業者は「マリンレジャーは石垣市の観光産業にとって必要だと思う。そもそも港の狭隘化が問題。もっと係留できる施設を増やしてほしい」と切実な思いを口にした。

  • タグ: 石垣漁港フィッシャーリーナ不適正係留
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