二次交通不足 臨時で対応 低運賃バスやタクシー集約
- 2023年07月29日
- 社会・経済
今月8日から始まった、台湾人客が大多数を占めるコスタクルーズ社のコスタ・セレーナ(総㌧数11万4261㌧、旅客定員3780人、イタリア船籍)の寄港ではクルーズ船岸壁からの二次交通が課題となっていたが、徐々に解消されつつある。一方、タクシーやバス事業の関係者からは「黙認されているが、白タクも出ている」と指摘も。コロナ禍前の〝白タク問題〟が再浮上しているとみられる。
石垣港での外航クルーズ船受け入れはことし3月8日に再開された。コ号は今月8日を手始めに12・15・19・22日の計5回寄港している。ことしは約20回の寄港を予定。
初回の寄港では、南ぬ浜町新港クルーズ岸壁からユーグレナ石垣港離島ターミナルまで観光バスがシャトル運行をしたが、乗客によると運賃が高いこともあって敬遠された。タクシーも不足していたため、炎天下の中クルーズ岸壁からサザンゲートブリッジ入口交差点まで2㌔以上を歩く乗船客の姿が目立った。
旅行代理店の担当者によると、中国や香港のクルーズ船客は観光バス移動が主流だが、台湾はリピート率も高くタクシーで個別に目的地を目指す傾向が強いという。
これまでコ号は平均3400~3600人を乗せて石垣に入港。タクシーがつかまらず、クルーズ岸壁の駐車場が滞留する乗客であふれていた当初の状況に同担当者は「この状況が続くと、目的地を石垣から変更せざるを得ない」と不安をこぼしていた。
これを見かねた一部市議がサザンゲートを歩く台湾人観光客の無償送迎を行ったほど。その後、東運輸がクルーズ岸壁から離島ターミナルまで片道200円の臨時シャトルバスの運行を開始。22日には多くのタクシーもクルーズ岸壁で待機した。このため二次交通問題が改善に向かいつつある。
一方、白ナンバーで送迎サービスを提供し、対価として利用料を徴収する「白タク行為」の目撃情報も増えている。22日の寄港時には、クルーズ岸壁の駐車場で船舶会社から依頼があったマリンレジャーツアーの送迎車とは別に、自家用車らしき車両も複数台確認された。
ある運輸業の関係者は「白タクの料金は現金でなく、事前にクレジット決済をしているようだ。実態は不明だが、昔から『知り合いや友人を案内する』という口実で怪しい車は出入りしている」と目を光らせる。
石垣市観光文化課にも「白タク行為」の情報が入っており、同課によると、8月に県クルーズ船受け入れ八重山地域協議会の二次交通部会で話し合う予定だ。
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