子牛価格 低迷続く 八重山家畜市場
JAおきなわの八重山家畜市場で10、11の両日、子牛セリが行われた。初日は去勢45万7576円、雌35万729円と低迷、2日目も去勢46万1425円、雌36万8076円と低水準となり、2日間の平均価格は41万9786円で前年同月から13万5987円安と大幅に下落した。生産農家からは「価格が上がる兆しが見えない。飼料代も値上がりし赤字が続いている」と悲鳴が上がった。
セリ会場では2日間で716頭の子牛が入場し、710頭が売却された。2日間の平均価格は、前年同月と比較して去勢で13万4144円安、雌で13万8084円安。平均キロ単価は去勢1617円(前年同月比456円安)、雌1353円(同527円安)で全体では1516円(同483円安)だった。
2日間の売上総額は2億9789万6500円。最高価格は去勢が103万6200円、雌が74万6900円だった。
九州・沖縄ブロックの平均価格が発動基準価格を下回ったことから、農林水産省が臨時対策として措置する繁殖農家向けの経営支援事業が7月に初めて発動されたが、八重山では、それより低い水準の取引価格が続いている。
石垣島和牛改良組合の比屋根和史組合長は「飼料代は高騰したままで経営努力でどうにかなるレベルを通り越している。ほかの収入源を考えないといけない状況になっている」と強調。12月にかけて気温が下がり、島内の牧草の収量が落ちると飼料の購入費がかさむことから「年明けはどうなるか分からない。3月の牧草盗難のようなことが再び起こるかもしれない」と指摘した。
心配されていたインボイスの影響については「今回はほとんど影響はなかったが今後は、登録済みの農家とそうでない農家でどういった違いが出てくるか分からない」と不安も口に。
JAおきなわ八重山地区畜産振興センターの和田亮平畜産課長も「決算が煩雑になることを理由に購買者の税理士から登録業者から優先して落札するようにとの話も出ている。今回、インボイスの影響は思ったほどなかったが来月はどうなるか分からない」と話した。
子牛価格は、新型コロナウイルスの影響で外食など和牛の需要が低迷したことから下落。ロシアのウクライナ侵攻が始まってからは、餌代や肥料代などの高騰など農家の経営に追い打ちをかける状態が続いている。(価格は全て税込み)
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