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セリ値暴落で財源確保へ 9月市議会一般質問

セリ値が下落している子牛。生産農家にとって厳しい状況が続く(資料写真)

セリ値が下落している子牛。生産農家にとって厳しい状況が続く(資料写真)

輸送船の衛生面向上図る

 9月定例石垣市議会(我喜屋隆次議長)一般質問4日目は14日、東内原とも子、田盛英伸の両氏がセリ子牛の出荷に伴う海上輸送のリスク、子牛セリ値の暴落による支援策などをただした。海上輸送船は来年7月の竣工を目指し民間港運会社が、暑さ対策やふん尿といった衛生面を向上させた船舶を整備しリスク軽減を図る。セリ値暴落の支援は国、県の事業だけでは弱いため、石垣市も安定的な財源確保へ調査を進める。

 八重山で競り落とされた子牛は輸送船で島外に出荷する。八重山地域は平均気温が高いため、暑さによる食欲不振で体重減少や体調不良、死亡事故のリスクが高い。健康な状態で子牛を輸送するため、琉球海運が事業主体になり船舶の改修整備を実施する。

 本原弘也畜産課長によると、暑さ対策として船にポータブルファン、ドライミスト装置、換気用の給気用通風機、子牛給水用の配管・流水口などを設置。甲板の防ふん尿対策も施工する。

 沖縄振興特定事業推進費民間補助事業を活用し総事業費は約2億4000万円。8割補助で国費は約1億9000万円。

 船体も大きくなり積載容量も増える。輸送中の子牛の体重減少や死亡事故等が抑制され、県外購買者の購入意欲が保たれることに期待している。改修費用分を輸送費に上乗せはしないという。

 子牛価格の低迷で、国の和牛子牛生産者臨時経営支援事業と、県独自の沖縄県和牛子牛価格安定特別対策事業が発動している。

 臨時経営支援事業は、市場などで取引される和牛子牛のブロック別の平均売買価格が稼働基準である60万円を下回った場合に支援され、沖縄県は九州沖縄ブロックに含まれることから支援交付金単価は1頭当たり1万5000円。すでに交付されているという。

 県の事業は、県内の雌子牛平均取引価格が保証基準価格を下回った場合、差額の9割を補填するもの。

 補填額は、1頭当たり4月2100円、5月4万8500円、6月7万1200円となっている。

 子牛価格下落は、八重山地域だけでなく全国的な傾向。市当局は要因にコロナ禍による需要の落ち込み、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした飼料価格高騰の影響としており、経営が厳しくなった「県外の肥育農家が買い控えしている」と見ている。

 市によると今月、八重山家畜市場のセリ値平均価格は、先月より2165円増の44万3343円(税込み)。

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