全国・県平均下回る 小6と中3対象、全教科で
- 2023年09月01日
- 地域・教育
文部科学省がことし4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に行った全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で石垣市教育委員会(﨑山晃教育長)は8月31日、市内27校(小学18校、中学9校)の結果を公表した。小学校は国算の2教科全て、中学校も国数英の3教科全てで全国と沖縄県の平均を下回った。特に中学校の数学は15.0㌽、英語は14.6㌽それぞれ低く、全国との差が大きくなった。小学校の2教科と中学校の国語も6.5~7.8㌽全国より低かった。
小学校の調査は対象者のいない1校を除いた18校で実施。全国と比較して国語で7.2(昨年4.6)㌽、算数で6.5(同6・2)㌽と昨年より差が拡大した。
正答数の中央値で見ると国語は1問の差とほぼ全国水準。正答率30%未満の児童も改善傾向にある。
中学校は9校で実施。国語の正答数の中央値が全国と1問差で全国水準だった一方、数学の正答数は3問差。正答率30%未満の生徒が約半数を占めるなど大きな課題となった。英語は無回答者が目立った。
市教委学校教育課指導主事の西表知彦氏は「数学の知識技能に関する活用方法の定着、数学的用語の理解が小中学校で大切だ。難しい問題は全国も、県も市も同じような正答率。この3問で差が出ていると考えられる。英語は放送を聞く問題には差がない。カッコを埋める文章問題で全国と市で出題方法に違いがある。テストや授業で改善できるのではないか」と分析した。
正答率30%未満の児童生徒への対応や自立した学習者へ向かうための自覚と家庭学習の目的意識高揚の重要性も強調した。
アンケート調査では小中学校とも「自分には良いところがあるか」が全国より高く、各学校とも自己肯定感の向上が見られる一方で、「先生や学校にいる大人に相談できる」などは小中学校ともに全国より低く、「不登校につながる可能性もあることから学校のきめこまやかな指導をさらに推進する必要がある」と指摘した。
中学校3年生の33%の生徒の平日の学習時間が「ゼロもしくは30分以内」という結果も課題として挙げられた。
「家で計画を立てて勉強している」(小学校)、「自分と違う意見について考えるのが楽しい」(同)、「外国への関心」(中学校)、「ICT機器の活用など」(中学校)などは全国より高かった。
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