農作物被害額、前年倍に 竹富町
竹富町内の有害鳥獣(イノシシ・カラス)による農作物被害額が2022年度で668万円と前年度の約2倍、過去4年間で最多となったことが15日、前津芳生氏と大浜一将氏の町議会一般質問で分かった。このうち西表島では米農家やパインアップル農家など広く被害が及んでおり、深刻な状況になっているという。
町農林水産課によると、22年度の有害駆除頭数はイノシシ84頭、カラス845羽、クジャク47羽。狩猟を含めたイノシシの年間捕獲頭数は845頭にのぼった。駆除にかかった費用として町は179万円を支出。イノシシの侵入を防ぐ電気柵や猪垣の設置には441万を助成した。
被害額は19年度が392万円、20年度が88万円、21年度が338万だったのに対し、22年度は668万円と急増している。
一般質問で前津氏と大浜氏は西表島でのイノシシによる被害状況などを説明。前津氏は稲作を行う田んぼに1度イノシシが入ると「3日で全滅する」とし、猟友会会員が通って駆除しているが追い付いていない現状を訴えた。
大浜氏は農作物以外にも田んぼの畔や学校の芝生が荒らされるなどの被害が生じていることから「申告していない人も多い」と指摘。昨年度の被害額についても「(実際は)1000万円くらいあるのでは」との見方を示した。
また両氏は駆除を行う猟友会会員への報酬金の引き上げや助成などを要望。同課によると、現在、駆除の報酬として▽銃による駆除▽罠設置▽罠にかかった個体の捕獲作業―を行った場合、日当一律5000円を支給している。
大浜氏は「受け取れる額が小さい。(駆除する人が)仕事として成り立つような仕組みにしてほしい」とし、1頭あたり1万5000円の設定を提案した。
前津氏は猟友会会員の高齢化を懸念し、狩猟免許取得にかかる費用免除について「県へ要望してほしい」と述べた。
横目剛弥農林水産課長は「今後、検討させていただきたい」と述べ、竹富町鳥獣対策実施隊が作成した「町鳥獣被害防止計画」の内容をふまえつつ検討する考えを示した。
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