八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

石垣版ライドシェア

タクシー不足で長蛇の列。強い日差しの中、長い時間待たされる客もいた=2023年5月3日午前、南ぬ浜町のクルーズ岸壁

タクシー不足で長蛇の列。強い日差しの中、長い時間待たされる客もいた=2023年5月3日午前、南ぬ浜町のクルーズ岸壁

4月からの運用開始目指す 実現には課題解決も

 インバウンドが復活する中、石垣市内の二次交通の不足を解消しようと市は5日、石垣版ライドシェアを進めていくことを表明した。タクシー会社が所有し、ドライバー不足から使われていない遊休車両を普通免許を持つ一般ドライバーが運行するもので、現在、国が進める自家用車を利用する日本版ライドシェアとは異なる。中山義隆市長は「政府やタクシー業界と緊密に連携し、4月からの運用開始に向け、雇用者の確保や必要な手続きを進めていく」と述べた。

 市内では新型コロナウイルスのまん延以降、タクシーやバスのドライバー不足が深刻化した。

 行動規制などがなくなり、クルーズ船の寄港やインバウンド観光の入域観光客数が戻るにしたがい、二次交通の不足が顕在化。昨年のゴールデンウイークや夏休みシーズンは、タクシー待ちの長蛇の列ができたほか、白タク問題も再燃している。

 国がタクシー不足に対応しようと検討する日本版ライドシェアは、移動の足が不足する地域、時間、時期に限り、地域の自家用車やドライバーを活用してタクシー会社が運行を管理するもの。4月から解禁する方針だが、県ハイヤー・タクシー協会や同八重山支部などは、この日本版に「白タク発祥の地にするわけにはいかない」と反発している。

 一方、石垣版は自家用車は使用せず、タクシー会社が所有する車両の使用を想定。2種免許を持たない一般ドライバーがタクシー会社と雇用契約を結び、インバウンド観光や季節、時間帯で変動する移動需要に対応する。

 市は観光シーズンの需要増に対応するため4月の運用開始を目指すが、関係者らは▽ドライバーの育成▽保険契約の見直しの可能性―など実現までの課題を指摘する。

 県ハイヤー・タクシー協会によるとタクシー会社所有の遊休車両を使用するには、現在のタクシー規制の緩和も必要。全国ハイヤー・タクシー連合会は1月29日、規制緩和の要請を国交省に行ったが、実施の可否や時期は未定となっている。

  • タグ: 石垣市ライドシェア
  • ※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

    ページ移動

    キーワード検索フォーム