運用・整備方針で骨子 特定重要拠点
- 2024年01月11日
- 政治・行政
政府は安全保障上、総合的な防衛体制を強化するための公共インフラ整備として、「特定利用空港・港湾(特定重要拠点)」の運用・整備方針の骨子をまとめた。国土交通省・防衛省は、必要性が高い空港や港湾といったインフラ施設を管理する自治体と「円滑な利用に関する枠組み」を設けて調整を行う。八重山では、新石垣空港・石垣港(石垣市)、波照間空港(竹富町)、与那国空港・比川港(新設)(与那国町)の5カ所が候補に挙がる。特定重要拠点に指定されれば、平時から自衛隊や海上保安庁の艦船・航空機が利用しやすくなる。(8面に関連)
政府は、特定利用空港・港湾の主な利用を軍事ではなく「民生利用」としているが、訓練等での利用も視野に入れる。自衛隊や海保のニーズも踏まえて滑走路延長・エプロン拡張、港湾機能拡充など必要な整備を行い、既存事業の促進も図っていく。
民生利用のイメージは、空港で航空需要の回復・増大に対応していく。空港の防災・減災対策の推進、滑走路端安全区域整備により、航空の安全・安心を確保する。港湾は、岸壁、航路、防波堤等の港湾施設の整備により、フェリー・RORO船、バルク貨物船の大型化や貨物需要の増大への対応。大型クルーズ船等の受入環境の整備、船舶の航行安全の確保につなげる。
国民保護の観点も盛り込まれ、内閣官房によると避難時の輸送能力が向上されるという。災害時の救援部隊派遣や物資輸送も効果的に行っていく。
「有事」を想定した訓練では、自衛隊の戦闘機や輸送機を状況に応じて配置することにより、侵攻部隊に対応するとしている。港湾では護衛艦や輸送艦の利用を見込む。
政府の「総合的な防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議」は昨年8月、12月に計3回開催し、国内の特定重要拠点を選定。
八重山で候補に上がっている施設のうち、石垣港の管理者は石垣市。それ以外は沖縄県が管理。比川港は港湾法上、国が管理者になれないため整備されれば県管理の可能性が高い。
政府は今後、インフラ管理者と関係省庁の間で調整し、今年度末を目途に「円滑な利用に関する枠組み」を設ける方針。
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