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「救急車の適正利用を」 出動件数過去最多更新

救急医療週間の開始式で訓示を述べる新城剛消防長=8日午後、石垣市消防本部

救急医療週間の開始式で訓示を述べる新城剛消防長=8日午後、石垣市消防本部

救急救助活動への功績をたたえ感謝状が贈られた皆さん=8日午後、石垣市消防本部

救急医療週間スタート 市消防

 「あなたが命をつないでくれた」をスローガンに2023年度救急医療週間開始式が「救急の日」を前にした8日、石垣市消防本部敷地内で開かれた。同週間は14日までの7日間。救急出動件数が過去最多を更新していることから、新城剛消防長は「人の命を救う救急車の適正利用に協力を」と呼びかけた。

 救急医療や救急業務に対する市民の正しい理解と認識を深めるとともに、救急医療関係者の意識高揚を図ることが目的。

 ことしは▽救急法(救命・応急手当て)の普及啓発▽救急医療システムや救急搬送システムの紹介や適切な利用方法の普及▽救急医療関係者や救急隊員などの表彰や研修―を重点に掲げている。

 同部によると、昨年の救急出動件数は前年比910件増の3531件となっており、集計開始以来の最多を更新。今年7月末現在の出動件数も前年同期比183件増の2137件と高い水準が続いており、救急車の現場到着時間に影響が出ているという。事故種別の救急搬送では「急病」が最多の1931件で「一般負傷」が468件、「転院」が143件と続いている。

 同部は救急車を必要とする目安として▽ろれつがまわりにくい▽顔色が明らかに悪い▽突然の激しい頭痛や腹痛▽急な息切れ―などを挙げ、判断に迷う場合は119番を促している。

 新城消防長は「市民の安全な暮らしを守るために出張所を除いて2台の救急車で救急業務を行っている。限りある救急車を有効活用して緊急性の高い傷病者のもとに早く救急車が到着するために適正利用へのご理解とご協力を」と求めた。

 市消防本部は期間中、救急車適正利用啓発ポスターの掲示や救急ステーション事業所の周知、新聞広報などを行う予定。

 

■3個人1団体に感謝状 市消防、救急救助活動に貢献

 石垣市消防本部(新城剛消防長)は救急医療週間開始式に先立ち、救急救助活動に貢献した1団体3個人に感謝状を贈呈し、功績をたたえた。

 感謝状を受けたのは社領孝さん、我喜屋隆さん、我喜屋博さんの3人と石垣中学校女子バレーボール部。

 我喜屋さんら3人は、今年7月20日に石垣市野底の兼城公民館付近のやぶの中で横転していた車内から意識状態の悪い運転手を協力して救出した。隆さんは「大柄な人だったので博さんに助けを求め、通りかかった社領さんと3人で車内にいた運転手を外に出した。軽傷と聞いてほっとした」と安堵した。

 石中バレーボール部の部員らは8月21日、墓のくぼみに足が挟まって動けなくなっている高齢男性を発見して教諭に報告するとともに協力して救助。熱中症を防ぐために男性に水分を与えるなどした。

 同部の米盛和琉さん(14)と大立鈴夏さん(13)は「ずっと炎天下のなかにいて大丈夫か不安だったけど、助かって安心した」と胸をなでおろしていた。

 

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