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小浜―西表架橋を提案 構想再浮上

小浜島・西表島間架橋構想の提案書を前泊正人町長に手渡した八重山建産連の米盛博明会長(中央左)ら=29日午前、竹富町役場庁議室

小浜島・西表島間架橋構想の提案書を前泊正人町長に手渡した八重山建産連の米盛博明会長(中央左)ら=29日午前、竹富町役場庁議室

小浜島・西表島間架橋計画

八重山建産連、竹富町に

 八重山建設産業団体連合会(米盛博明会長)は29日午前、竹富町役場を訪れ、小浜島と西表島を結ぶ架橋建設構想の提案書を前泊正人町長に手渡した。米盛会長は「地域住民の利便性向上に向け議論していただきたい」と呼び掛けた。

 離島地区の活性化を目的とした事業で、小浜島細崎から由布島北側を通り、西表島赤生崎まで全長2・7㌔の架橋をかける構想。同連合会内では宮古島の周辺離島を事例に2021年ごろから議論され、ことし4月の小浜島生コンクリート工場閉鎖がきっかけとなり、提案に至った。

 小浜島・西表島間の架橋に関しては1989年ごろから町内で議論が活発化し、当時の農林省(現農林水産省)予算で農道橋として建設する計画があった。しかし架橋を通すヨナラ水道がマンタ(イトマキエイ)の回遊場所であることから地元のダイビング業者などが反対。県農林水産部が実施した投資効果の調査結果でも十分な経済効果が見込めない旨が示されたことで計画が頓挫した経緯がある。

 提案の場で米盛会長は「(生コン工場閉鎖で)さまざまな公共工事の先行きが見通せず、今後の島の発展に大きな支障をきたすのではないか」と危機感を示した上で、「二つの島が一つの経済圏域となり、医療、福祉、教育、産業、防災などあらゆる分野で利便性が向上する。圏域発展に新たな歴史を開くことになる」とメリットを強調した。

 ただ、世界自然遺産に登録されている西表島の自然環境への負荷や景観の変化など「橋をかけないメリットも議論されなければならない」とも述べ、「自然に負荷をかけない建築技術も発展している。自然との共生も大事だが、住民の利便性向上もふまえ検討してほしい」と語った。

 前泊町長は両島特有の自然や伝統文化が根付いていることをふまえ「各地域の状況がどう変化するかトータルで判断しなければならない」とし、「30年前と現在では状況は変わってきている。小浜、西表の住民の意見をふまえ、議論する余地はある」と見解を示した。

 米盛会長によると、ヨナラ水道の幅は600㍍で水深は20~30㍍を想定。現在はマンタの回遊ルートが変わり、同水道付近にはいなくなっているという。同会が作成したパース図ではクリアランス(桁下空間)を高くし、漁船等が通れる構造となっている。

  • タグ: 竹富町架橋
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