「訪問税」説明会始まる 竹富町・西表大原
- 2024年01月16日
- 政治・行政
【西表】有人島への入域者を対象に徴収を計画する法定外普通税「訪問税(仮称)」について竹富町は15日、住民説明会を始めた。初回は西表島大原の離島振興総合センターに山城秀史副町長ら町職員3人が出向き、税制度の概要や目的などを説明。住民からは「観光客が減らないか」「金額を見直してほしい」などさまざまな意見が挙がった。説明会は26日までに町内5地区で開かれる。
訪問税審議委員会(委員長・青木宗明神奈川大学教授・6人)は今月12日、税額「2000円が適当」などとまとめた報告書を前泊正人町長へ答申している。町は住民説明会やパブリックコメントで幅広く意見を収集した上で税率などを最終決定し、町議会に条例案を上程する考え。
西表島大原での説明会には住民約25人が出席。山城副町長は「住民の皆さまからいただいた声を参考にし、関係者の理解を得ながら制度を走らせたい」と述べ、「魅力ある持続可能な観光地とするためにぜひ意見をいただけたら」と積極的な議論を呼びかけた。
新城賢良税務課長が税導入の目的や骨子を紹介。人口に対する入域観光客数が約252倍となっており、来訪者に対応する行政需要が約10億円にのぼっていることや新たに約10億円程度の需要が見込まれることを説明した。
質疑応答では、住民からは県の宿泊税を念頭に「被ってしまうと額がかなり大きくなる。それで入域者数は半分くらいに減らないか」と懸念が出たほか、「2000円」の税額に「びっくり。財源が足りないのは理解できるが、観光客からとるのはいかがなものか。行政側で財源確保に向けた知恵を絞ることが必要だと思う」との指摘があった。
税額の見直しを求める住民からは「本島など遠くにいる家族も帰省をためらい、観光客も行動範囲が狭まるケースが増えると思う。高い額を一気にとるのではなく(税率を)積み重ねてみてはどうか」との提案があった。
このほか特別徴収義務者となる船会社との調整や訪問税導入後の入域観光客数増減の見立てを求める声もあった。
説明会は18日に黒島(伝統芸能館)、19日に波照間島(集落センター)、24日に小浜島(小浜公民館)、25日に西表島西部(中野わいわいホール、鳩間・船浮はオンライン開催)、26日に竹富島(まちなみ館)で開催される。
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