自然遺産の島々PR 本島北部で「山の日」全国大会
【大宜味】「山を知り、山に感謝し、山を楽しむ~自然豊かな南の島、沖縄から未来へ~」をテーマにした第7回「山の日」全国大会(同実行委主催)の記念式典が11日午前、大宜味小学校で開かれ、関係者が世界自然遺産に登録された沖縄本島北部、西表島をPRした。
同大会は亜熱帯の山の魅力や琉球王国時代からアジアとの交流で培った歴史・文化を体験し、沖縄の山の魅力を次世代に継承することを理念とする。自然、文化、歴史などソフトパワーとしての沖縄の魅力に触れさせる目標がある。3月以降、各地で関連イベントが開催された。
式典は午前9時に開幕。オープニングアトラクションは国頭村に伝わる「国頭サバクイ」、大きな丸太を首里城に運ぶ情景を盛大に再現した。
同大会はこれまで山岳地帯がある都道府県で開催されてきた。1千㍍以上の山がない沖縄では百低山のパンフレットを作成。大会実行委員会会長の玉城デニー知事は「自然豊かな沖縄の山の魅力を発見し、足を運んでいただけると幸い」と主催者あいさつした。
「山の日」開催地は国頭村、大宜味村、東村、竹富町の4自治体。前泊正人竹富町長は開催地あいさつで「山から海まで多様な自然環境の恵み、情緒豊かな芸能を有する町。機会があれば町の島々にお越しを」と紹介した。
同大会恒例となっている11の願いを込めて鐘打する「山鐘」では、西表ヤマネコクラブの子どもらが「水や木など山の恵みを大切にする思い」など読みあげ鐘を鳴らした。
式典のアトラクションでは小浜島出身の演出家、平田大一さんが手がけた「おきなわ芸能絵巻」と題したパフォーマンスで山と共生する少年の成長物語を描いた。
式典後の記念行事では、世界自然遺産大使のバンド「HY」、俳優の比嘉愛未さんらがトークセッション。学生発表では西表ヤマネコクラブら4団体が研究成果を伝えた。西表船浮出身のシンガー・ソングライター池田卓さんもライブで登場、トークでも西表島の大自然をアピールした。次回開催地は東京都。
■活動成果、堂々発表 西表ヤマネコクラブ 山の日記念行事
【大宜味】11日午後、「山の日」全国大会の記念行事で西表島の小中学生で構成される「西表ヤマネコクラブ」のメンバー4人が学生発表として成果を発表、ヤマネコ保護の決意を新たにした。
同クラブは結成26年目、小学4年から中学3年の24人で活動している。発表では年間の活動計画と成果を紹介。サバイバルキャンプ、やまねこパトロールにヤマネコ学習、年間の集大成となる壁新聞作りをスライドで説明した。
ロードキル対策としてのアンダーパスの視察では「思ったより広く、生き物が通りやすい。(道路では)安全運転を心掛ける必要がある」と述べた。
また、パトロールは新加入メンバーで行う。路上で死んだ生き物を森に移動し、ヤマネコのロードキルを減らす活動を行っている。「西表の宝、イリオモテヤマネコをこれからも守りたい。ヤマネコのことをもっと知り、観光客に伝えたい」と決意した。
バンド「HY」の仲宗根泉さんは「自然を当たり前と思わず、残すためにどうすべきか子どもの頃から考えていることがすばらしい」と感想を述べた。
学生発表は辺士名高校、有銘小学校、安田小学校の児童生徒も学習成果を伝えた。
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