八重農が最優秀賞、国立へ 全国高文祭郷土芸能部門
稲の成長と豊作の喜びを表現する「米ぬ為し」を披露する八重山農林高校郷土芸能部=7月31日、奄美市の奄美川商ホール(南海日日新聞社提供)
豊かな海の幸へ感謝の思いを表す「八重山の海人かりゆし」を披露する八重山商工郷土芸能部=1日、奄美市の奄美川商ホール(南海日日新聞社提供)
【鹿児島】鹿児島県で開催されている第47回全国高校総合文化祭の郷土芸能部門に八重山農林高校郷土芸能部(嵩田晄部長・部員27人)と八重山商工高校郷土芸能部(目仲なつき部長・部員20人)が出場し、八重農が最高賞となる文部科学大臣賞・最優秀賞に輝いた。八重山勢が同部門で最優秀賞を受賞するのは2002年の八重山高校以来21年ぶりで同校としては初。八商工は惜しくも入賞を逃した。八重農は8月26、27日に東京の国立劇場で開催される優秀校公演に4年ぶりに出演する。
同部門には全国各地区の代表19校が出場し、八重農は7月31日、八商工は1日に会場の奄美市の奄美川商ホールで演目を披露。1日に結果発表があり、八重農が初の最高賞を獲得した。
八重農は稲の成長と豊作の喜びを表現する「米(まい)ぬ為(な)し」を披露。稲の発芽を祈る「稲が種アヨー」に始まり、「コイナユンタ」、「山入らば節」「マミトーマ」、「稲摺り節」で稲作や脱穀、精米を表現。最後は「インケラー」で豊作の喜びを伝える構成となっている。
嵩田部長(3年)は「アヨーの第一声から全員で息を合わせ、今までで1番いい舞台ができた。他校のレベルが高く、まさか賞をとれるとは思っていなかった。選んでいただいて本当にうれしい」と感無量の様子。顧問やOB・OGらのこれまでの指導、サポートに感謝し、「国立では全国以上に息を合わせて、楽しく演舞したい」と意気込んだ。
舞台裏で見守った顧問の大盛匠実習教諭は「本番前は緊張していたが始まると全員が楽しそうに生き生きと演舞していた。会場から大きな拍手もいただけたので、私たちの演舞も伝わったと思う」と話した。
「全てを出し切れた」
八商工は豊かな海の幸をもたらす神々への感謝を表現する「八重山の海人かりゆし」を披露。「しびらおーざ」、「新村ゆんた」、「久高節」などに合わせて航海安全を祈願する姿を表した。最後は豊漁を願う「かりゆし節」を全員でエネルギッシュに舞い、舞台を締めくくった。
目仲部長は「今までで1番の演舞ができたと思う。最後は部員全員で同じ舞台に立てる喜びを感じながら全てを出し切ることができた」と感慨深げ。「全国で演舞できたのは保護者や先輩方、地域の方々の支援のおかげ。11月の県大会に向けて課題を修正し、後輩たちを全国の舞台に連れていきたい」とさらなる成長を誓った。
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