犠牲者追悼、恒久平和願う 尖閣列島戦時遭難死没者
- 2023年07月04日
- 地域・教育
慰霊祭に遺族ら参列
尖閣列島戦時遭難死没者慰霊祭(尖閣列島戦時遭難者遺族会主催)が3日、石垣市新川舟蔵の慰霊之碑前で行われた。昨年まで新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小していたが、今回、4年ぶりの通常開催となった。参列した遺族や関係者は無念の死を遂げた犠牲者を追悼し、恒久平和を願った。宮良芳明会長は「尖閣遭難事件を次世代に語り継ぐことが、愚かな戦争を繰り返さないことになる」と慰霊祭を継続することの大切さを訴えた。
慰霊祭は2002年から続いていたが、コロナの影響で20年から3年間は規模を縮小しての開催となった。
慰霊祭では、住職による読経の後、参列者が焼香し、80人の名前が刻まれた碑に向かい手を合わせた。
宮良会長は「八重山での戦場を想定しての島民の避難計画に関する報道に接すると78年前の悪夢のような惨劇が再び繰り返されるのだろうかと、やりきれないような不安と暗たんたる気持ちになる。この慰霊祭の目的は、太平洋戦争による台湾疎開で犠牲になったみ霊を供養するとともに、平和をつくる努力を重ねていくことを改めて確認することにある」と強調した。
【尖閣列島戦時遭難事件】1945年7月3日、計180人余りを乗せた疎開船の第一千早丸、第五千早丸が米軍機の機銃掃射を受け、第五千早丸が沈没、銃撃死や溺死で犠牲者が出た。
生存者は魚釣島で約1カ月間の遭難生活を強いられ、餓死者も出た。遭難者の一部が小舟で石垣島に渡って救助を要請、その後、救出された。
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