八重山毎日新聞社

　「違和感」。調和を失った感じ、他と合わない、しっくりしない感じ。物事になじめない、居心地が悪いさまをいう。中山市長が花谷市議の一般質問をさえぎり、市議着用のかりゆしウェアをめぐって「違和感を覚える。デザインが議場にふさわしいか」と問題提起した▼価値観の相違に違いない。世代や個人の人格、思想や考え方を形成してきた背景、歩み。特に服装にはそれが如実に表れる。まして個人のセンスは他人にはいかんともしがたい。議論を預けられた議会運営委員会は服装規定の内容を確認し、「デザインや個人の好み」として、個人の意思に委ねるべきだとの意見があった▼一方、市職員の多くが着用しているポロシャツについて自粛を求める風潮があると聞く。なんでだろう。すべて同調して、同じ色に染まれというか▼「違う物差し」はあったほうがいい。むしろ全員が同じ物差ししか持てぬことのほうが恐ろしい。価値観は多種多様にあるべきだ▼違和感を言うなら山ほどにある。人口5万人達成ＢＢＱ、リゾート開発推進、栄養機能食品配布、於茂登山頂への展望台整備、与野党区別の議会対策資料。あれやこれ▼もっと言えば市役所庁舎の赤瓦や石積み。見事な大屋根を持つ図書館のように歴史文化を尊重していたら。いまだにため息が出る。（慶田盛伸）