G7食事に石垣産本マグロ 関係者「質の良さ、世界が知ってほしい」
- 2023年05月26日
- 社会・経済
20日に開かれたG7広島サミット2日目のワーキング・ランチの食材に石垣島産の本マグロが使用されていたことが関係者への取材で分かった。使用された本マグロはマグロはえ縄漁船第六源丸(譜久村良一船長、9.7㌧)が11日に八重山漁協で水揚げした118㌔。京都の中央卸売市場へと出荷され、身質や味の良さからランチの食材として採用された。知らせを受けた漁業者からは「大きな誇り。石垣島のマグロのおいしさが全国、世界に広がってほしい」と喜びの声があがっている。
ワーキング・ランチは食文化の魅力発信と各国首脳へのおもてなしを目的に行われている。外務省によると、20日のランチは午後0時10分から約80分間、グランドプリンスホテル広島で開かれ、料理人は㈱菊の井=京都=の村田吉弘代表取締役、飲料監修は一般社団法人日本ソムリエ協会の田崎真也会長が務めた。
■すし食材
日本全国の豊富な食材を用いた多彩な和食料理8品がふるまわれ、このうち石垣島産本マグロは「手毬寿司六種」で使用された。筋が無く柔らかい中トロの部分が使われたという。他のネタはタイやこはだ、穴子、イカ、スモークサーモンだった。
関係者によると、G7開催を前に料理人や卸売業者らが2度、試食会を実施。色持ちや味、肉質を比べた結果、複数候補のなかから石垣島産のマグロが選ばれた。
マグロを選んだ㈱小松商店の草木憲一郎代表取締役は「八重山のマグロはいつも上手に活締めされており状態が良い。納品まで時間があったが、その間寝かせたことで甘みも出てきていた」と説明。今回の石垣島産使用で「冬の大間に次ぐ、〝夏の石垣〟が定着するかも」と期待感を示した。
■「大きな誇り」
第六源丸の譜久村船長によると、本マグロは9日に石垣島南で釣り上げた個体。118㌔と小ぶりながら脂のりが良く、赤身と脂身がはっきりしていたという。当初は自社の鮮魚店におろす予定だったが、状態が良かったため、京都市場への送りを決めた。当時セリ価格は1㌔平均1000~2000円と下落していたが、このマグロはキロ3000円の値がついた。
譜久村船長は「世界の首脳に食べてもらったことは大きな誇り。数あるなか石垣島から選ばれたことは励みにもなるし、来年もまた漁を頑張れる」と笑顔を見せた。
船主で㈲マルゲン水産の上地肇代表は手毬寿司の写真を目にし「すごくおいしそう。感動だ」と喜びをかみしめた。2000年の沖縄サミットで各国首脳にふるまわれ、ブランドを確立した「石垣牛」を引き合いに、「石垣島のマグロの価値もこれからどんどん上がっていくと思う。質の良さが全国、世界に広がれば」と語った。
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