7月中にライドシェア 石垣版、遊休タクシー活用
【那覇】遊休タクシーを使って一般ドライバーが有償で運送サービスを展開する石垣版ライドシェア開始に向け22日午前、石垣市、沖縄県ハイヤー・タクシー協会(東江一成会長)、沖縄総合事務局の3者が沖総局で会見し、7月中の実施を目指すと発表した。
ライドシェアはタクシーのドライバー不足を背景に、交通サービスの持続可能性と移動の質向上を図る観点から、公共交通を補完する新たな仕組み。
石垣版ライドシェアは、タクシーが不足する時間帯とする金・土曜日の午後4時~翌午前5時台に展開する。クルーズ船の寄港や、大型イベントなど特別な事情がある場合は、自治体の要請があれば対応する。
タクシーは配車アプリを搭載した予約制で、事前に行き先を決めて運行する事前確定運賃を採用。流し運行は行わないため、手を上げてもタクシーは止まらない。支払いはキャッシュレス決済のみとなる。22日時点で石垣市内の7社が参入しており、沖総局が各社1台に運行許可を出している。
一般ドライバーの賃金(時給)は石垣市が時給1000円を上限に補助する。事業所には売り上げの一部を、既存ドライバーの賃金や福利厚生に還元する仕組みづくりが事業採択の要件としている。
市は市議会6月定例会に1社当たり150万円と想定し、約1050万円の関連予算案を上程する予定。予算案が可決しだい、7月中に事業をスタートさせる。
7月中の事業開始を発表した中山市長は「売り上げは会社の収入となる。正規ドライバーの賃金や福利厚生に使ってもらうことでモデル事業としている。客がいつでもタクシーに乗れる状況を確保し、既存ドライバーの福利厚生に使え、アルバイトする人は収入が入るためウィンウィンだ」と一石三鳥をPRした。
東江一成会長は「空白時間を集中的に埋めていく考え方。ひまな時にライド車を出すことは考えておらず、既存の乗務員に負担はかからない。各社(事業者)は乗務員に細かく説明してほしい」と話した。
県内のライドシェア事業は石垣市を皮切りに、本島や離島での実施も計画している。沖総局の星明彦運輸部長は「公共交通の持続可能性を損なわない形で、地域の必要に応じた移動サービスが確実に提供されるよう、最適化を進めたい」と述べた。
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