八重山毎日新聞社

　石垣島に住みながら大学教育を学べる機会を提供するため石垣市は９日、（一社）日本財団ドワンゴ学園準備会・学校法人角川ドワンゴ学園と「地域社会の発展及び人材育成を目的とした連携協定」を結んだ。同準備会は現在、２０２５年４月にオンライン大学「ＺＥＮ大学（仮称）」の開学を予定している。文科省の認可が下りて設立されれば、学生たちはネットだけの学びにとどまらずフィールドワークなどで実社会に役立つ経験を積むことができる。

　市は市内で子どもたちに大学教育の機会を提供できる環境整備に取り組んでおり、今回の協定締結で自主的な学生活動を支援し、移住や地元企業への就職といったキャリア形成の機会を提供する。学生らが知識やスキルを石垣島で生かしながら新たなビジネスやサービスの創出、地域の魅力発信ができるとみている。

　学部は情報化社会を生き抜く上で必要なリテラシーを身につける「知能情報社会学部」のみ。ＡＩを使い理数・情報・文化思想・社会ネットワーク・経済マーケット・デジタル産業の６分野を学ぶ。事前に収録した動画によるオンデマンド授業が用意され、ライブ配信も行う予定。

　学習の形は「課題解決学習型（ＰＢＬ）」。社会のあらゆる問題とＡＩをかけ合わせていく。

　同大学の鈴木寛チェアマン（予定）は「どんな家に産まれてどんな地域に育っても、全ての子どもたちに最善の学びを届けたい」とし創設の意義を強調。中山義隆市長は「新たなビジネスやサービスの創出、地域の魅力発信、生活の質の向上など成果を生み出すことができると考えている」と期待した。

　認可の判断はことし夏～秋にかけて出る見込みという。

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