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曲の旋律を知っていて作者を知らないことが…

 曲の旋律を知っていて作者を知らないことがたまにある。Jポップもそうだし、昔の歌謡曲もそう。作曲家の名前を聞いて「ああそうだった」と納得したり、意外な人物で驚いたりする▼ある時、本土出身の知人に「えんどうの花」を聴かせると、その人はしばらく考えて「知ってる。有名な曲だよね」と言った。この作曲家は石垣島出身だと伝えるとびっくりしていた▼沖縄を代表する作曲家、宮良長包さん(石垣島出身)の直筆譜は没後、沖縄戦の十・十空襲で焼けた。そのため、本人の曲は40曲程度しか世に知られなくなった▼過去の新聞や雑誌に曲名が掲載されていても、楽譜がないとメロディーが分からない。その場合、かつて長包さんと接点があった人や、むかしの歌を口ずさめる人を探す。ほとんど高齢になっている▼歌える人がいたら実際に歌ってもらい、旋律を確認して楽譜を再構成する。この地道な作業を石垣市出身の大山伸子さんが長年やってきた。長包さんの曲を約130曲発掘した▼18日には那覇市で「宮良長包生誕140年記念音楽祭」が開かれ、オーケストラや声楽家、市民合唱団が長包メロディーを奏でる。この数年で発見された「泣く子」「誰にも言うな」「しぐれ」も初めて演奏される。本人没後に新しい歴史が刻まれる。(玉津盛昭)

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