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石垣市の都市目標宣言は「日本最南端の自然…

 石垣市の都市目標宣言は「日本最南端の自然文化都市」である。これほど島の特性と目指すべき将来像を的確に表現したフレーズを他に見ない。美しく豊かな自然と先人の豊かな感性、土の香り香る伝統文化。何ものにもかえがたいわれらの財産である▼それに先立つ昭和47年、市は本土復帰記念事業として他の何より先駆けて石垣市立八重山博物館を整備した。県内では県立博物館に続く2館目の登録博物館。その先見の明、市立ながら名称を「八重山」とした矜持。私たちは先人をもっと誇りとしていい▼その後も将来を見据えて伝統工芸館、市民会館、市立図書館と次々に文化施設を整備した。むろん後継者育成など環境整備も進めた▼沖縄県立博物館・美術館で「沖縄の染と織の至宝~桃原用昇コレクション~」が開かれ、国指定重要無形文化財保持者ら8作家の八重山上布など作品を展示している。ぜひ石垣でこそ鑑賞したいものばかり▼桃原氏は新八重山博物館が整備されればこれら作品112点を市に寄贈すると明らかにしているが、さて整備事業は進捗(しんちょく)しているか▼惜しむらくは、旧市役所跡地利用に博物館・美術館構想が何ら顧みられなかったことだ。昭和から令和の半世紀、市政の中心であった歴史こそ新たな文化芸術の発信地としてふさわしい。(慶田盛伸)

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