南鷲大太鼓 復活へ 市商工会青年部
- 2023年11月03日
- 地域・教育
5日に行われる石垣市最大のイベント「第59回石垣島まつり2023」の市民大パレードで、石垣市商工会青年部(翁長慶次部長、部員95人)の南鷲大太鼓が復活する。コロナ禍で20年から3年間、活動を自粛してきたが、継承を絶やすまいと部員たちが連日、市商工会ホールで練習に励んでいる。
打ち手のメンバーは、常任役員や太鼓経験者13人で構成。本番で青年部オリジナルの「序」「破」「急」の3曲を披露する。
13人は4パートに分かれて太鼓を合奏する。見どころは、リズムによって奏でる太鼓の音が、打つ強さや速度に緩急をつけ徐々にシンクロしていく場面。体に心地よく響く音が聴く人を魅了する。また、力強いバチさばきも必見。特に直径130㌢以上の大太鼓は「ドーン」と腹の底に響くような音が特徴で、花形パートだ。
南鷲大太鼓は1984年に誕生。名称の公募を行い、宮良利奈さん(当時22)の案が採用された。県内最大とされていた大太鼓、現在は2台目となっている。84年11月の八重山まつりでお披露目され、同年の商工会設立10周年記念大会でも豪快な音を響かせた。歴代の部員たちから受け継がれてきた〝太鼓の手〟。今回、コロナ禍を乗り越えて継承への道が拓けた。
9月末から練習に取り組むメンバーら。それぞれ自主練で打つタイミングやリズムを体に覚えさせて、週3回の合同練習で完成度を高めている。
10月31日、メンバーたちは夜10時まで太鼓を打ち続けた。「数年間のブランクがあるので、先輩や経験者に教わり、過去の動画も見ながらたたき方を覚えている」と翁長部長(38)。「仕上がりは70%ぐらい。あとはどこまで音を合わせることができるか」と改善点を挙げる。
大太鼓を担当する石垣聡副部長(44)は「南鷲大太鼓は憧れだった。初めての参加で大太鼓という大役を仰せつかり、無心で頑張りたい」と意気込みを語る。
本番に向けて翁長部長は高鳴る鼓動を抑えながら「練習を重ねることで部員間の結束も強くなっている。全員の気持ちを一つに、まつりを盛り上げたい」と力強く話した。
パレードは5日午前11時から、新川小学校前の美崎新栄通りをスタート。石垣市役所旧庁舎の交差点が終点。商工会青年部は先頭から10番目に登場する。
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