八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

台湾鉄道の列車で花蓮駅に近付くと、…

 台湾鉄道の列車で花蓮駅に近付くと、車内放送から「カリンコ」というフレーズが流れてくる。日本統治期に「かれんこう(花蓮港)」と呼ばれた名残で、先住民族のアミ族は花蓮のことを今も「カリンコ」と呼ぶ▼知らぬ間に先住民族の言葉に触れている。そんな環境が台湾にはある▼与那国町内の小学6年生がホームステイでお世話になっている花蓮県光復郷のタバロン小学校は、日本統治期に「タバロン公学校」として創立し、26年に「富田公学校」と改称された。戦後、何度かの改名をへて、94年に現在の校名になり、「タバロン」がよみがえった▼地域の人たちが「先住民集落の伝統的な地名」を学校名にするよう求めた末のことである。「どぅなん小学校」という学校名を求めて与那国島の人たちが運動を起こし、実現させたようなものとでもいうのだろうか▼同校の校門には「タバロンの学校」を意味するアミ語の表示がある。給水塔を見上げると、高い場所にアミ語で「こんにちは」と大書。ホールの入り口には「集まる場所」を意味するアミ語▼このところのニュースを見るだけでも、与那国での方言サミット開催(17日付本紙8面)やしまくとぅば講師の認定(29日付本紙1面)があった。言葉へのこだわりでもタバロンと八重山はつながれる。(松田良孝)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム