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絵本「おこだでませんように」の作者くすのき

 絵本「おこだでませんように」の作者くすのきしげのり氏の講演会があった(3日付8面)。氏の作品の多くは日常の出来事に揺れ動く登場人物の心を描いているという。おこだで―は、怒られてばかりいる男の子の物語▼懐かしい。読み聞かせをしたことがある。でも、当時は寝かしつけるだけの手段としか思わず、ちゃんと作品の世界を理解していなかったと反省させられた▼例えば「ぼく」が妹を泣かせている場面。タンスの上の写真に写っているのは、母と妹との3人だった。ひとり親家庭で、母親の帰りが遅いときは妹の面倒をみていることがわかった▼主人公の手元には「やさしいおりがみ」の本。ほんとうはちゃんと優しく教えたいのに、うまくいかず、しまいには妹を泣かせて母親に怒られる。そんな具合で学校でも先生に怒られる▼そして七夕の日。短冊に願った。「おこだでませんように」。字の間違いから、母親が仕事で忙しくて入学前にあまりかまってもらえなかったことが想像できる。短冊の横にある鉛筆には噛んだ跡、隣りの消しゴムには小さくちぎった跡…▼作者のあとがきを読んだ。「どうか、私たち大人こそが―中略―子どもたちの心の中にある祈りのような思いに気づくことができますように」。ウチアタイだった。(比嘉盛友)

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