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「光害対策のリードを」 先進地の取り組みなど紹介

多くの市民が訪れた星空保護区ダークスカイセミナー=27日午後、市役所コミュニティルーム

多くの市民が訪れた星空保護区ダークスカイセミナー=27日午後、市役所コミュニティルーム

星空保護区ダークスカイセミナー

 星空保護区ダークスカイセミナー「八重山諸島の美しい夜の自然環境を保全する」(星空H2O八重山地域振興会主催)が星空ウィーク最終日の27日、石垣市役所コミュニティルームで開催された。東洋大学准教授でダークスカイ・ジャパン(旧称・国際ダークスカイ協会東京支部)代表の越智信彰氏と環境省石垣自然保護官事務所上席自然保護官の山本以智人氏が光害の影響や対策、先進地の取り組みなどについて紹介した。19日に開催した南の島の星まつり2023のイベントの一環。

 越智氏は光害についてエネルギーの浪費や動植物などの生態系、人体への影響など実例を挙げながら「環境問題の一つだ」と指摘。防犯や交通事故などとの関係については「人間はより明るい方が安全だと考えるが、落とし穴がある。適切な光量で一様に明るいことが必要。視界に非常に明るい場所があると人間の目は暗がりにあるものを見落とす」と説明した。

 光の色の重要性については、体内時計や生態系への影響などとの関係について紹介。「明るい、暗いだけの軸でなく、光の質までを考えながら質の良い明るさを目指す必要がある」と強調した。

 光を漏らさないための対策や海外の天文台がある地域の条例や法律、国内の先進地の取り組みなども挙げながら「光害対策は星空を守る地域だけの話ではなく、地球温暖化と同様、全ての自治体で取り組むことがスタンダードになるべき問題。八重山には星空、自然、天文台と光害対策を進める動機が全てそろっている。国内の光害対策をリードしてほしい」と訴えた。

 山本氏は「八重山の夜の生き物たち」について解説。大陸と地続きだったころの生き残りが独自の進化をとげたことから、沖縄には現在でも珍しい生き物が多く残っていると生態系保全の重要性を指摘。「人間は明るいことしか考えていない。さまざまな生物が暮らしていることに配慮を」と光害対策への関心を呼びかけた。

  • タグ: 光害星空
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