暑い日が続いているが、自然界ではすでに秋
- 2023年08月18日
- 不連続線
暑い日が続いているが、自然界ではすでに秋の気配が漂っている。田んぼや海岸では繁殖地のロシアやアラスカから越冬地のオーストラリアなどへ向かう秋の渡りのシギの仲間が一休み▼その中でも驚くべきはオオソリハシシギの渡り。なんと11日間、昼夜を問わず飛び無着陸でアラスカからタスマニアまでの1万3560㌔を飛んだ。GPSを使った2022年の調査で分かり、これまでの記録を約700㌔も更新した▼一方、八重山では島々で繁殖する鳥たちの渡りが始まっている。ことし生まれたばかりのヒナたちにも過酷な渡りが待ち受けている。開発が進み、生息環境を奪われる鳥たちの渡りの無事を祈るばかりだ▼野鳥たちの渡りは耳で感じることもできる。ツグミなどの仲間は、夜空を飛びながら鳴きかわし、その声が地上まで届くのだ。小鳥たちは天敵の猛禽類が少なく、大気の状態が安定した夜間に渡る。夜空の星を目印に方向を探り、迷うことなく数千キロを飛びきるというから驚きだ▼日中は熱くてフィールドに出るのも大変だが、涼しくなった夜は秋の虫も鳴きだしている。子どもたちと星空を眺めながら、野鳥たちの渡りに思いをはせるのも楽しい▼秋の夜長、耳や目など五感を働かせながら、壮大な自然の営みを家族で感じてほしい。(立松聖久)
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