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伊原間のサビチ洞は30余年前、飛騨から…

 伊原間のサビチ洞は30余年前、飛騨から古民家を白保へ移築し琉染を営んでいた故山岡古都氏が、耕作放棄されていた赤土のパイン畑を譲り受け、自ら重機を動かし整備した▼古代鍾乳洞を自身の収集したつぼやかめ類の展示で自然と民芸の里にしたいと燃えていた。畑の赤土には気を使い、洞へ流れ込む大量の畑の雨水を数多くの沈殿池を設け誘導迂回(うかい)させ泥水が直接海に流れ出ないよう工夫した▼その頃、島で盛んに行われていた海へ直行する溝を備えた面積主義の土地改良事業の赤土流出への批判にも見えた。ただ彼の失敗は、洞の出口を客の歩行の安全のためコンクリートで固めてしまったこと▼このことで何が自然保全か偉そうにと批判の矢面に立たされ原状回復を命じられたりした。あろうことに、収集した展示品の厨子ガメなどに盗品も含まれている、墓荒らしを助長したなどの風評非難も出て事業から身を引くことになった▼工事中「沈砂池の土塁にソテツを植えたいのだが、今、平久保半島のソテツの群生地はご覧の通りだ、金のため次々掘り起こされ港へ運ばれている。県外へ高く売るそうだ。自分は奄美から安い苗を取り寄せる。石垣島は在来の草木を大事にしないと後でつけが回るぞ」と説諭された▼宮崎のソテツ並木を見て当時を思い出した。(仲間清隆)

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